貴方が私の右側に座る
まだ泣いたら駄目だと必死に瞬きをした

『迷惑かけてごめん』
終わりを告げられた様で俯いた
『私こそすみません』
涙なんて堪え様としても堪え切れる物ではない
自然と出てしまう
『謝らないで、悪いのは全部俺だから』と貴方が私の頭を撫でる
『ごめんなさい』
謝る事しか出来ない
『何にも悪くないよ』
優しく手を握るから苦しかった
握り返せない手を貴方にただ委ねた

終わらせてくれてもいい
もう誰も傷付けたくない
でもこうして貴方がいると貴方への想いは薄れてはくれない
どうしたって貴方しか見えない

『私はどうしたらいい』
『今のままでいい』
『今のままじゃ駄目だよ』
『俺はずっと好きだ』
貴方はずるい
こうなった今も何も捨て切れない
でも貴方の言葉はやっぱり嬉しかった

優しく触れる手に泣いた
『もう一緒にご飯行けないかと思ったの』
声が震えた
見せては行けない弱さを簡単に口にしてしまった
自分でも分かってしまう程の幼な過ぎる声
無数の涙が膝に落ちてスカートに染みた
『また行こう』
貴方がそっと涙を拭ってくれる
だから沢山泣いた
貴方の前で思い切り泣いた
抱き締めてくれるから止まらなくなった

諦め切れる訳がない
分かってた事じゃない
貴方以外何も映らない事
さよならなんてまだ出来ない
貴方が此処にいてくれる限り

何も得る物なんてない
失う物ばかりなのに
どうしてこんなにも美しく思えてしまうのだろう

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