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奈央と出会えたから。<368>

[504]  麻呂  2009-06-03投稿

ガタンッッ―ー‐



『聖人?!』



あたしの声にも気付かずに、



聖人は、椅子から立ち上がり、



教室を出て行った。




『奈央。聖人は何か、京谷さんから情報を得たのかもしれないわね。』



『う、うん。』





クラスメイト達の間を分け入って、



あたしは窓から、
正門前に停まるバイクと、



そのバイクの上に座る人物をじっくりと眺めた。



京谷さん。



そして、



その側に立つのは聖人だ。



京谷さんと聖人は、少しの間、何か話していたかと思うと、


すぐに、聖人が京谷さんのバイクの後ろに乗った。



ブォン‥ブォン‥ブォォォォン―ー‐



“お、おい。北岡がヤツのバイクのケツに乗ったゼ?!”



“北岡は、ヤツと知り合いなのかよ?!”



“バイクの金髪のカレもステキだケド、
やっぱ、北岡君カッコイイ〜〜〜♪”



“いやいや、バイクのカレの方がステキですぅ〜〜♪♪♪”


聖人を乗せた京谷さんのバイクが、正門から出て行くと、



クラスメイト達が再びざわつき始めた。




『だ‥だ、だ、だからみなさん!!

僕の授業を真面目に聞いてってば!!』




ごめんなさい。



渡部先生には悪いコトをしちゃったケド、



あたしは、



京谷さんが聖人に何を伝えに来たのか、凄く気になって、



授業も、



まともに頭の中に入らなかったんだ。

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