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3パーセントの愛(5)

[190]  麻弥  2009-06-03投稿

ワタシは空を見あげて、おもいっきりため息をついた。

「ぷは〜。寒っ。」



フラつく頭に心地よさとイラ立ちを感じながら、振り袖をなびかせてロヨロと歩く。



ひとりになると、考えてしまう。



どうして人を好きになれないのか?

それは自分が愛された記憶がないから。


上っ面の付き合いでなんとかなったし、これからもそれでやっていけると思う。



なんか無性にさみしくて、ケータイに手を伸ばしたその時。



急に吐き気が襲ってきた。
急いで道端にしゃがみこんで覚悟を決める。


「うっ・・・っ。」


めでたく、お祝いで頂いた食事とアルコールを全て吐き出した。



「おえ〜。最悪・・・。」



またすぐ波が襲ってくるような気がして、しゃがみこんだままサナギのようにじっとしていた。





・・・ポツ・・・ポツ・・・ポツ・・ポツポツポツ・・・ザーッ



「っ最悪。雨だ・・・っ。」


ついてないなあ。

これじゃドラマのワンシーンより悲惨だよ。



ワタシって今すごくかわいそうじゃない?


ハタチのお祝いの日に、真っ赤な振り袖着て道端で吐いて、雨に打たれて、おまけにひとりぼっち。



なんだか今までの人間関係が浮き彫りになった気がして、泣けてきた。




ワタシはひとりぼっち。


嗚咽と涙が止まらなくて、胸がきゅーって苦しい。



苦しい。
もうだめ・・・誰か、誰か助けて。





「・・・あのー、大丈夫ですか?」


若い男の声にギクッとする。

顔をあげずに目線を足元にやると、だぼっとしたグレーのスーツにヴィトンの革靴。



「大丈夫?」


若い男は心配と興味の表情を浮かべて、正気に戻ったワタシの横にしゃがみこんだ。



「大丈夫です、ありがとう。」

なるべく目線を合わせないようにしてサッと答えた。

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