14ジ26プン《逃》?
夜が明けた。殺人鬼は来なかった。
こういう状況だとやはり夜に来るんだろう,私はそう思って一睡もしなかった。
これも多分作戦。心身の限界を狙っている・・・。
今は13時7分。
あと1時間弱で私は解放される。
私は安心してしまい,油断してカーテンからキョロキョロと外を見回してしまった。
《バキバキッ!!》
家の中に大きな音が響く。まさか?
念のため果物ナイフを持ち,て急いで玄関に走って行った。鍵が壊されてドアが開いている。侵入された・・?
急いで部屋を出た。古いアパートなので階段で逃げるしかない。
しかし階段を見て,私は血の気がひいた。
下り階段のかどからジャケットと茶色い靴が見えている。
私は急いで部屋に逃げ込み,また血の気がひいた。
部屋の家具が刃物で傷つけられていた。
「・・・居る・・・。」私は無意識に声を出してしまった。
その瞬間目の前が真っ暗になった。鮮血が飛ぶ。頸動脈が破裂したのだ。殺人鬼は下駄箱に隠れていた。
超小型の為即死にはいたらなく,視界が薄れていくなか殺人鬼を見た。
知らないその男は私の手を握って,涙を流している。
『今助けを呼びます!頑張って下さい!』
懸命に私を励ます姿、それが私の見た最後の光景だった。
何故殺人鬼が私を助けようとしたのか。階段にいたのは誰だったのか。
今はまだ・・。
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