頭脳と頭脳(16)
「いいわ。あんたの話からきいてあげる」
彩香が、あっさりと話を中断するほうを選ぶとは。
さっきまでの話で、俺にある程度の実力があると判断したんだろうな。
だから、哲史のチェックを優先した。
本当に頭の回るやつだ。
「これは、5区を四神に表したんす!」
彩香に認められたと思ったのか、哲史が意気揚々と説明を始める。
「確か、北に玄武、東に青龍、南に朱雀、西に白虎っすよね」
「なら、黄竜なんていないじゃない」
わかってるくせに。
「黄竜は、四神の中心的存在、または、四神の長とも呼ばれていて、四神が東西南北の守護獣なのに対し、中央を守るとされるてるっす」
「なるほど、それなら中央区ね」
納得といった顔。
こいつ本当に性格悪いな。
「『目からの景色は美しい』って文から、目は上のほうをさしてます。つまり、高い場所。万葉市最大の建物、プラザ万葉を」
さあ、そこから先がよめるか。
「また、『俯せになり体を丸めているだろうがね』は、玄武をさしています」
このあとの『お前のように』という文で、相手を挑発し、冷静さを失わせる。
俺のときと一緒で、その前後に重要なヒントを隠している。
そう、俯せになり体を丸めている状態のことを柔道で、カメという。
カメの四神は玄武。
そして、それが表すのは・・・・・・
「花火は北区のどこかで上がったということっす!」
自信満々の顔だな。
まあ、上出来だ。
「そう、そこまではわかったの。でも、逆鱗の位置はわからなかった」
悔しそうに、顔を歪めていた。
「そこまでわかっただけで、思考を停止してしまった!」
こいつの言うとおりだ。
爆破地点は手紙に書いてある。
「へ?それはプラザ万葉のことじゃ?」
哲史はわかっていないようだ。
「ブレインは、『黄竜のもと、つねに逆鱗に触れられる』と書いていた。そこから、わかるのはどこだ」
「それは、プラザ万葉のどこかを・・・・・・あっ!」
そうなんだ。これは字で書くことに意味があるんだ。
「『もと』というのは『下』のことだった」
よほど悔しかったのだろう。
声がふるえてやがる。
「でも、それだけじゃ、プラザ万葉の下の階ってだけしかわからないんじゃ。どこからが下なのかなんて、個人の裁量ですし」
「それは違うよ哲史。これには爆破する階が書かれている」
彩香が、あっさりと話を中断するほうを選ぶとは。
さっきまでの話で、俺にある程度の実力があると判断したんだろうな。
だから、哲史のチェックを優先した。
本当に頭の回るやつだ。
「これは、5区を四神に表したんす!」
彩香に認められたと思ったのか、哲史が意気揚々と説明を始める。
「確か、北に玄武、東に青龍、南に朱雀、西に白虎っすよね」
「なら、黄竜なんていないじゃない」
わかってるくせに。
「黄竜は、四神の中心的存在、または、四神の長とも呼ばれていて、四神が東西南北の守護獣なのに対し、中央を守るとされるてるっす」
「なるほど、それなら中央区ね」
納得といった顔。
こいつ本当に性格悪いな。
「『目からの景色は美しい』って文から、目は上のほうをさしてます。つまり、高い場所。万葉市最大の建物、プラザ万葉を」
さあ、そこから先がよめるか。
「また、『俯せになり体を丸めているだろうがね』は、玄武をさしています」
このあとの『お前のように』という文で、相手を挑発し、冷静さを失わせる。
俺のときと一緒で、その前後に重要なヒントを隠している。
そう、俯せになり体を丸めている状態のことを柔道で、カメという。
カメの四神は玄武。
そして、それが表すのは・・・・・・
「花火は北区のどこかで上がったということっす!」
自信満々の顔だな。
まあ、上出来だ。
「そう、そこまではわかったの。でも、逆鱗の位置はわからなかった」
悔しそうに、顔を歪めていた。
「そこまでわかっただけで、思考を停止してしまった!」
こいつの言うとおりだ。
爆破地点は手紙に書いてある。
「へ?それはプラザ万葉のことじゃ?」
哲史はわかっていないようだ。
「ブレインは、『黄竜のもと、つねに逆鱗に触れられる』と書いていた。そこから、わかるのはどこだ」
「それは、プラザ万葉のどこかを・・・・・・あっ!」
そうなんだ。これは字で書くことに意味があるんだ。
「『もと』というのは『下』のことだった」
よほど悔しかったのだろう。
声がふるえてやがる。
「でも、それだけじゃ、プラザ万葉の下の階ってだけしかわからないんじゃ。どこからが下なのかなんて、個人の裁量ですし」
「それは違うよ哲史。これには爆破する階が書かれている」
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