兎飴と白雪の風〜take2〜
戦後の混乱の最中、私達家族は絶望に陥った。
父が借金を作ってしまったのだ。それも並みの額じゃない。返すことなんて、到底無理だった。
それからしばらくして、借金取りと呼ばれる者が現れた。その人は私の声をよこせと言った。確かに、私は近所でも評判の歌声をしていて、将来を期待されたほどだった。
そんな情報をその人が何故知っていたのか知るよしもない。
その日以来、私は家族と離れ、1人歌を歌っている。家族にはしばらく会っていない。
寂しさは私の歌声に現れた。「哀愁」とまで謳われている。
17歳には不釣り合いな表現だ。
でも、金のため、家族のために売ったこの声を恥じるつもりはない。
ただ、
懐かしい飴の香りが欲しい。
思う自分はとても弱い。
父が借金を作ってしまったのだ。それも並みの額じゃない。返すことなんて、到底無理だった。
それからしばらくして、借金取りと呼ばれる者が現れた。その人は私の声をよこせと言った。確かに、私は近所でも評判の歌声をしていて、将来を期待されたほどだった。
そんな情報をその人が何故知っていたのか知るよしもない。
その日以来、私は家族と離れ、1人歌を歌っている。家族にはしばらく会っていない。
寂しさは私の歌声に現れた。「哀愁」とまで謳われている。
17歳には不釣り合いな表現だ。
でも、金のため、家族のために売ったこの声を恥じるつもりはない。
ただ、
懐かしい飴の香りが欲しい。
思う自分はとても弱い。
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