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奈央と出会えたから。<369>

[502]  麻呂  2009-06-10投稿

それから、



社会科の授業が終わっても、



次の国語の授業が終わっても、



その日全ての授業が終わっても、



あたしの携帯に、聖人からの連絡は無く、



あっと言う間の放課後――



『奈央。帰ろ。聖人なら心配ないって。
落ち着いたら何か連絡があるわよ。』



『うん。でも、やっぱ、まだ処分が決定する前だから、派手な行動をして欲しくないし‥‥。

京谷さんがバイクに聖人を乗せて、どこへ行ったのかも気になるし‥‥。』



『もしかして‥‥森宮についての情報を得たのかもよ?!』


『う‥ん。でも、どっちにしろ、聖人から連絡が無いと分かんないし‥‥。』



『んもうっっ!!
奈央ってば!!

くよくよ考えないのっっ!!

もう帰ろ?!ね?!』



『あは。そだね!!
でも、ユカも家に帰りにくくない?!

校長が、今日のコト、ユカのお父さんに報告するって‥‥。
渋川が言ってたじゃん?!』



何てったって、



ユカってば、



森宮にビンタしちゃったんだからっっ。


あたしだったら、絶対、家に帰りたくないっっ。



『チクリたければチクればいいのよ。

あたしは別に、真実を言っただけだから。

大人の事情なんて、知ったこっちゃないわよッッ。』



そんなあたしの心配をよそにして、



ユカは強気な言葉を返してきた。



『ユカ。変わったね。』



思わず、口から飛び出してしまった一言。



あたしの一言に、ユカは不思議そうな顔をしてた。



『そう‥‥かな?!
自分じゃよく分かんないケド‥‥。』



そう言って、ユカは笑った。



そして、



その後、こう言ったんだ。



『もし、変わったのなら‥‥。

あたし‥‥奈央にとって、ますます嫌なヤツになってないよね?!』



ユカの意外な言葉にびっくりしたあたしは、



『なってないよッッ!!』



そう言った。



あたし――



何をムキになってたんだか――



その後、2人で大笑いしたよね?!――


大人の敷いたレールの上を――



あたし達は当たり前の様に突き進んで行く――



それが正しいのか、正しくないのか――


常に胸に矛盾を感じながら――

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