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ハーフムーン (40)

[855]  2009-06-11投稿
「多分、どこかの国のリゾート地じゃないカナ?海もキレイだし」
ミユキは答えた。

「だけどよぉ…この辺を一回りしてみたけど、何にも無くて、どこの国かも分かんねぇんだよ。第一、人も居ねぇし」
マモルが不安そうに言う。

「確かに、何にも無さそうな…とりあえず、亀山さんに聞いてみたら?」
ミユキは辺りを見渡しながら、そう答えた。

「その亀山も、どっかに消えちゃって、姿見えねぇんだよ!」
マモルは半ばヤケクソ気味に言った。

「そっか…また何処だか分からない場所に来ちゃって…どんどん離れて行っちゃうね」
目の前の海を見つめながら、ミユキは何故だか涙が溢れ出た。そして、身に付けていた半月型のペンダントを手に取ると、そっと中に入っている写真に向かって、ささやいた。


「ショウ…迎えに来て」


波の音だけが響いていた。

その間マモルも、黙ったままハンモックに横たわっていた。


「オーイ!迎えに来ましたぁ」
突然、声が聞こえた。

ミユキは涙が振り落ちるくらいに、その声に向かって素早く振り返った。マモルもまた、ハンモックから半身を起こし、声のする方へと注目した。

――声の主は亀山だった。

亀山は、二人の予想もしない格好で、走ってやって来た。

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