CD-R
「まだあったか…」
ため息混りに押入れの奥から段ボールを引摺出す。
ガチャガチャと音をたてながら埃っぽい段ボールが数年ぶりに光を浴びた。
予想以上にズッシリと重く、自分でも何が入っているのか分らない段ボールを恐る恐る開ける。
「あぁ…懐かしい」
学生の頃夢中で聞いたロックバンドのCDがぎっしりと詰まっていた。
もう解散してしまったバンドのファーストアルバム。ジャケ買いして失敗した海外のロックバンド。初回限定のプレミア版。
懐しさに浸りながら、引越しの片付けも忘れて段ボールからCDを一枚一枚取り出す。
最後の一枚…
「ん?これ何だっけ?」
それは真っ白いCD-Rだった。タイトルもアーティスト名も何も書いていない。
何だかとてつもない興味心が湧いて、CDデッキへ入れてみた。
一曲目
……プツ プツッ…
時々走るノイズ音だけで何も音がない。
二曲目
…………………
今度はノイズ音すらない無音。
三曲目…四曲目…五曲目……
無音が続く。
「何だ曲焼くのに失敗したやつかよ」
少し期待を裏切られた気分で、床に広げたCDを段ボールへ戻していく。
この大量のCDはどう処分しようか…。
そんな事を考えていると
フフッフフフッ
女の声を殺した様な笑い声にビクッと体が反応する。
振り返るとCDデッキからその声は発せられていた。
「何だよ…。気味悪い曲だな?」
片付けの手を止め、曲を早送りする。
ハァ〜ハァハァ
笑い声から切り替わり荒い息遣いになる。
更に早送りする。
「もしもし〜おうっお前何してんの?」
遠くで男が電話する声。それに混って時折まだあの荒い息遣いが聞える。
「…じゃあ今から行くわ」
ガチャッ
何処かの部屋の音なのだろうか?遠くで誰かが部屋を出て行った音がする。
スーッ
暫くして、襖の戸を開ける様な音がした。
カタン
ギシッ
ギシッ
誰かが部屋の中を色々物色している様な音。
俺はこの味の悪い音を悔い入る様に聞いた。
ため息混りに押入れの奥から段ボールを引摺出す。
ガチャガチャと音をたてながら埃っぽい段ボールが数年ぶりに光を浴びた。
予想以上にズッシリと重く、自分でも何が入っているのか分らない段ボールを恐る恐る開ける。
「あぁ…懐かしい」
学生の頃夢中で聞いたロックバンドのCDがぎっしりと詰まっていた。
もう解散してしまったバンドのファーストアルバム。ジャケ買いして失敗した海外のロックバンド。初回限定のプレミア版。
懐しさに浸りながら、引越しの片付けも忘れて段ボールからCDを一枚一枚取り出す。
最後の一枚…
「ん?これ何だっけ?」
それは真っ白いCD-Rだった。タイトルもアーティスト名も何も書いていない。
何だかとてつもない興味心が湧いて、CDデッキへ入れてみた。
一曲目
……プツ プツッ…
時々走るノイズ音だけで何も音がない。
二曲目
…………………
今度はノイズ音すらない無音。
三曲目…四曲目…五曲目……
無音が続く。
「何だ曲焼くのに失敗したやつかよ」
少し期待を裏切られた気分で、床に広げたCDを段ボールへ戻していく。
この大量のCDはどう処分しようか…。
そんな事を考えていると
フフッフフフッ
女の声を殺した様な笑い声にビクッと体が反応する。
振り返るとCDデッキからその声は発せられていた。
「何だよ…。気味悪い曲だな?」
片付けの手を止め、曲を早送りする。
ハァ〜ハァハァ
笑い声から切り替わり荒い息遣いになる。
更に早送りする。
「もしもし〜おうっお前何してんの?」
遠くで男が電話する声。それに混って時折まだあの荒い息遣いが聞える。
「…じゃあ今から行くわ」
ガチャッ
何処かの部屋の音なのだろうか?遠くで誰かが部屋を出て行った音がする。
スーッ
暫くして、襖の戸を開ける様な音がした。
カタン
ギシッ
ギシッ
誰かが部屋の中を色々物色している様な音。
俺はこの味の悪い音を悔い入る様に聞いた。
感想
感想はありません。