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真実 22

[337]  彰子  2009-06-14投稿
 亜子の携帯にもう1人の会社の人からかかってきた。
 「確かに携帯繋がらないんですよね…僕も何度もかけているんですが…」
 亜子はせっかくの休日に時間を割いて連絡して貰っている事を謝った。その人も今、出かけているから家に戻って改めてかけると一度電話は切れた。
 夕方また電話があり、何か淳から聞いているのが、何かを悟っているかのように亜子の事を聞いてきた。 亜子は初めて、自分の立場の事、淳との事を人に話した。そして今、出血がある事も話し、緊急である事も話した。
 次の日の夜、淳から亜子へやっと連絡があった。
 亜子の話を聞いた同僚から連絡があり、心配してくれていた事も亜子に伝え、連絡を取れない様にしていた事を詫びた。そしてこれから帰ってくると言うのだ。亜子は事故じゃなかった事を喜んでいた。自分の事より、淳を心から心配していた。淳はその事が嬉しかった。

 淳がようやく亜子の元に帰り、もう一切、家に帰らないつもりで、このクリスマスを子供達と過ごしてきた事を亜子に告げた。
 そして、淳は証拠だと言い、亜子のいる目の前で、美佐に別れの電話を入れた。電話の向こうで言っている内容まで聞けるよう、淳は携帯のスピーカーのボタンを押し、亜子に聞かせた。
 淳は美佐に別れ話をし、亜子の今も話した。もうすぐ産まれてくる事も。
 電話の向こうで美佐は 「あんたの好きな物を買って待ってるから、早く帰ってきて。」
 と違う事を言っている。淳を食べ物で釣るつもりなのか…。淳はその言葉に腹を立て美佐を責めた。なじった。そして、電話を切った。
 間もなく亜子に陣痛がきて、バタバタと何もかもが慌ただしいまま病院に行く事になった。
 2日目にようやく、男の子が産まれた。淳も子供達も喜びでいっぱいだった。
 1週間が立ち、亜子達が家に戻ってきたその夜、淳は今まで亜子についてきた、嘘を話した…

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