いつかまた〜32〜
「そっか…。ん!そういえば、そんな感じの生地があったと思う!」
空いたお皿に手を合わせて
「ごちそうさまでした」
頭を下げて、ちさは3段ある脚立を取ってきた。
「確かこの中に…」
脚立に登り、棚の上段にある箱に手を伸ばす。
とっさに僕はちさが落ちないように、脚立を支えた。
「ん〜と…」
箱の中をまさぐりながら、ちさが言った。
「でも今日、トーマがいてくれて良かった。思ったより順調に進みそう」
嬉しそうなちさの横顔が見えた。
違うんだ。
俺が今日、ここに来ようと思ったのは。作業の効率を狙った親切心じゃない。
ちさと一緒にいたいという、単なる恋心でもない。
響には。俺の知らない、ちさとの時間がある。
俺も、響が知らない、ちさとの時間が欲しかったんだ。
これは、嫉妬と名を借りた『競争心』…だと思う。
空いたお皿に手を合わせて
「ごちそうさまでした」
頭を下げて、ちさは3段ある脚立を取ってきた。
「確かこの中に…」
脚立に登り、棚の上段にある箱に手を伸ばす。
とっさに僕はちさが落ちないように、脚立を支えた。
「ん〜と…」
箱の中をまさぐりながら、ちさが言った。
「でも今日、トーマがいてくれて良かった。思ったより順調に進みそう」
嬉しそうなちさの横顔が見えた。
違うんだ。
俺が今日、ここに来ようと思ったのは。作業の効率を狙った親切心じゃない。
ちさと一緒にいたいという、単なる恋心でもない。
響には。俺の知らない、ちさとの時間がある。
俺も、響が知らない、ちさとの時間が欲しかったんだ。
これは、嫉妬と名を借りた『競争心』…だと思う。
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