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真実 23

[311]  彰子  2009-06-17投稿
 新築の家を購入していた事、それにより、週末戻ってからも離婚話は立ち消えになっていた事など、何もかもが離婚に向かって進んでいなかった事を…。
 産後直後の亜子にとって、淳が話して聞かせてくれている事は夢の中の話にも感じていた。
 2ケ月間、乳児の世話や産後の調子、子供達の事などであっという間に毎日を過ごし、保育園も決まり、亜子は仕事に戻った。
 今までの様に淳が美佐の元へ行く事もなく、仕事以外家にいてくれている事は安心に思ったが、先はまだ見えていない。
 そんなある日、美佐から連絡を貰ったと、淳の会社役員から連絡があった。
 美佐と淳に会って話がしたいと言う事だった。
 美佐は友達と、淳は亜子に連絡をくれていた、会社の同僚を連れ、役員との約束の場所に行った。
 
 会社役員の河田は淳の顔つきや立ち居振る舞いがいい男になっているのを褒めた。それが亜子と一緒に住み出した頃からのものだと、淳の同僚と話をした。
 同僚はこの話し合いの前に亜子に会いに行き、彼女がどんな人間か見て来たと河田に話をし、目の前にいる美佐を見て、今まで淳がパッとしない男だった事をつなげて判断した。

 美佐は夫が他に女を作り、子供まで産ませている事を男達に淳の至らない点ばかり指摘し、悲劇のヒロインに甘んじている事は男達もうんざりしていた。
 人間顔つきに内面が出ると言うが、女次第でこうも男が変わるものかと、思う程だった。
 とにかく河田は家庭裁判で話をつけた方がいいと告げ、その場の話合いは終わった。
 河田が帰り美佐がトイレに立つのを淳の同僚が後を追った。
 「これ以上、淳を陥れるような真似は止めた方がいい。金だけの生活ならもっと稼ぎのある男を探せばいい。」と…美佐に忠告した。

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