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ねぇ…大好きなのに。

[430]  春樹  2009-06-20投稿
春樹と連絡を取らなくなってから、五ヶ月。

もう夏が終っていた。

私は友達が紹介してくれた男の子と付き合う事になり、人生初の遠距離恋愛をしていた。

始めは、私も彼を好きだと思っていた。

でも、彼と遊んでいるときに気付いた。

私はいつも彼の仕草や性格、どこか、春樹に似ている所を探していた。

探しても、見つかるはずなんてなかったのに。

私は、また違う男で春樹の居ない寂しさを埋めていた。

彼と付き合って半年。

私と彼は喧嘩をして、別れる事になった。

私は寂しく無かった。

寂しく無い事が、悲しかった。

その彼と別れて、八ヶ月位経った頃。

また、私に彼氏が出来た。

その彼氏は20歳近く年上だった。

その彼氏と付き合って居るときも、私はやっぱり春樹を求めていた。

求めても、春樹はいないのに。

春樹にどんなに似ていても、春樹じゃなきゃ意味ないのに。

それから私は、災厄な女になっていった。

彼氏とお酒を飲むと、春樹との想い出を話し。

彼氏の事を「春樹」と呼んで抱き着いたり。

「なんで春樹じゃないの?」と彼氏を怒った。

私のその態度に彼氏が怒ると

「じゃぁ別れる」

私は平気で、そう言った。

しだいに、彼氏は私が春樹の話しをする事を、怒らなくなっていった。

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