汚染 158
『出会えて良かったよ』
突然言われた言葉に胸は鼓動を早めた
まるでもう終わりの様な台詞
そう言った貴方の目が寂しそうに見えた
『急にどうしたの』と笑うと
『本当にそう思ってるから』と貴方も笑った
私もそう思ってる
心から
『でもさ、本当はもっと早く出会いたかった』
その言葉を聞いた途端に苦しくなった
私がずっと思い言えなかった言葉
貴方が口にするとは思わなかったし
きっと二人の間では言っても仕方のない事の様な気がした
だって過去になんて戻れない
この世には『もしも』なんて存在はしないのだから
『早くっていつ?』
『十年位前かな』
貴方は綺麗な言い方をしたけど貴方が本当に言いたかったのは
『結婚する前』
この言葉だったのだろう
『私まだ高校生だよ』と笑った
十年前は私は高校生で貴方は社会人になったばかりだろう
『その頃出会っても恋に堕ちてないはずだよ』と言う私に
『それでもきっと好きになってた』と貴方は言い切った
想像も出来ない
生きる世界が違う二人が今の様に互いに求め合う事が出来るのか
『今出会えたから良かったんだよ』と言うと貴方は首を横に振った
いつ出会っても好きになっていた
そんな風に二人を美化する
貴方が現状に苦しんでいるが故の願望なのか
だけどいくらそんな事を話しても戻れない
それでも貴方は悲しそうに叶わない架空を創り
それを聞いて私はただ切なくなった
本当は私だって『もっと早く』って何度も思った
その度に自分を罵倒した
寂しく感じる時程に貴方との遅過ぎた出会いを悔い
どうしようもない事だとじっと堪えて唇を噛み締めて来た
もっと早く出会えたら
互いに強くそう感じたこの瞬間
私達には埋められない過去や世界があるのだと
改めて痛感した
突然言われた言葉に胸は鼓動を早めた
まるでもう終わりの様な台詞
そう言った貴方の目が寂しそうに見えた
『急にどうしたの』と笑うと
『本当にそう思ってるから』と貴方も笑った
私もそう思ってる
心から
『でもさ、本当はもっと早く出会いたかった』
その言葉を聞いた途端に苦しくなった
私がずっと思い言えなかった言葉
貴方が口にするとは思わなかったし
きっと二人の間では言っても仕方のない事の様な気がした
だって過去になんて戻れない
この世には『もしも』なんて存在はしないのだから
『早くっていつ?』
『十年位前かな』
貴方は綺麗な言い方をしたけど貴方が本当に言いたかったのは
『結婚する前』
この言葉だったのだろう
『私まだ高校生だよ』と笑った
十年前は私は高校生で貴方は社会人になったばかりだろう
『その頃出会っても恋に堕ちてないはずだよ』と言う私に
『それでもきっと好きになってた』と貴方は言い切った
想像も出来ない
生きる世界が違う二人が今の様に互いに求め合う事が出来るのか
『今出会えたから良かったんだよ』と言うと貴方は首を横に振った
いつ出会っても好きになっていた
そんな風に二人を美化する
貴方が現状に苦しんでいるが故の願望なのか
だけどいくらそんな事を話しても戻れない
それでも貴方は悲しそうに叶わない架空を創り
それを聞いて私はただ切なくなった
本当は私だって『もっと早く』って何度も思った
その度に自分を罵倒した
寂しく感じる時程に貴方との遅過ぎた出会いを悔い
どうしようもない事だとじっと堪えて唇を噛み締めて来た
もっと早く出会えたら
互いに強くそう感じたこの瞬間
私達には埋められない過去や世界があるのだと
改めて痛感した
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