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いつかまた〜53〜

[127]  友愛数  2009-06-21投稿
立ち上がって、少ししてちさが振り返った。

「……?」

どした?
少し微笑んで、首をかしげた僕に、ちさも少し微笑んだ。そして、

「トーマ」

手を広げた。

え……?


え?

え!?


なんだこれ?


分からないけど、僕も滑り下りた。


ちさと向かい合い、ちさが広げた手の意味を、頭フル回転で考えた。

これって…?


分からないまま、どうもできないでいた僕の胸に、ちさが、コツン、とおでこをあててきて、服の裾を両手でキュッと握った。

何が起こってる…?


頭がパンクしそうだ。


その時、信じられない言葉を聞いた。



「………好き」




この夏空に消えてしまいそうな、囁くような小さな声。
ちさの言葉だった。

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