サルの巣「出会うまで」
大学を卒業し、その会社に入社したばかりの私は、誰より先に電話をとる事に集中していた。
世間を知らず、自分を知らず、半端なプライドと理想を持って社会人になったから、今となっては向いてないとわかる仕事でも、自分はやればできると信じて疑わなかった。やる気にみちあふれていた。
電話が鳴り、ワンコールで受話器をとる。
受話器の向こうから聞こえる、低いハスキーな声。
…私好み。
会社名を名乗らない。
自分の名を告げてきた。
…社内の人だ。
誰だっけ。
支社名や所属を言わず、名前だけ…偉いんだ。
新入社員で、かなり期待してるって所長から聞いてるよ…だって。私を知ってた。
何分話したろう。とにかく私を褒めてる。女心わかってるな、この人。会話がはずむ。すごく楽しい。
電話の相手の名を告げ、やっと所長に電話を取り次ぐ。
それ、部長だよ、と隣の先輩。
部長か…なんだか調子がよくて、軽そうな人。でも悪い気はしなかった。
どんな人だろう。いくつくらいの人かなぁ。
部長か…おじさんかな。
でも、私、ああいう人好きだな。
昔から、先生や先輩からはよく可愛がられたほうだった。末っ子の性質かどうか知らないけど。
友達が、あいつむかつく、と担任の悪口を言っていても、私は大人が嫌いじゃなかった。
会いたいな。
世間を知らず、自分を知らず、半端なプライドと理想を持って社会人になったから、今となっては向いてないとわかる仕事でも、自分はやればできると信じて疑わなかった。やる気にみちあふれていた。
電話が鳴り、ワンコールで受話器をとる。
受話器の向こうから聞こえる、低いハスキーな声。
…私好み。
会社名を名乗らない。
自分の名を告げてきた。
…社内の人だ。
誰だっけ。
支社名や所属を言わず、名前だけ…偉いんだ。
新入社員で、かなり期待してるって所長から聞いてるよ…だって。私を知ってた。
何分話したろう。とにかく私を褒めてる。女心わかってるな、この人。会話がはずむ。すごく楽しい。
電話の相手の名を告げ、やっと所長に電話を取り次ぐ。
それ、部長だよ、と隣の先輩。
部長か…なんだか調子がよくて、軽そうな人。でも悪い気はしなかった。
どんな人だろう。いくつくらいの人かなぁ。
部長か…おじさんかな。
でも、私、ああいう人好きだな。
昔から、先生や先輩からはよく可愛がられたほうだった。末っ子の性質かどうか知らないけど。
友達が、あいつむかつく、と担任の悪口を言っていても、私は大人が嫌いじゃなかった。
会いたいな。
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