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奈央と出会えたから。<375>

[544]  麻呂  2009-06-23投稿

『昼の放送?!

何で???

聖人の好きなBOOWYの曲でもかけるの?!』



あたしが、そう聞くと、聖人はケラケラ笑い出した。



『ンなんじゃねーよッッ。

いいから、とにかく聞けよ?!』



そう言ってから、



聖人は、カバンの中から取り出した漫画を読み始めた。



『ふぅ〜ん。昼の放送ねぇ‥‥。』



ユカは、首を傾げながら、あたしの方を見た。



『あは。何か‥よく分かんないケド、お昼が待ち遠しいねっっ!!』



『んもうっっ。奈央は、どうしてそうイイコなの?!

聖人ったら、“ワン〇ース”の新刊に夢中になってるよ。』


『あはは。お昼まで待とうよ。ねっ?!ユカ。』



* * * * * *



お昼になって、給食の時間がやって来た――



給食当番の班員達が、みんなに給食を配り始める――



いつもは、お昼になると、“お昼の放送”がかかる。



さっきの聖人の話では、この放送をちゃんと聞けよってコトだったケド――





《みなさん。こんにちは!!今日もお昼休みがやって来ましたッッ!!

いつもの、この時間は、音楽をかけるのですが、

今日は少し趣向を変えて、FM放送を流してみたいと思いますッッ!!》



スピーカーから流れる放送委員の声に、クラスメイト達がざわつき始めた。



“おい。何だよ今日の昼の放送は?!”


“FMって?!FM小樽?!”



“やだぁ〜。マジ?!今日は、あたし、「湘南乃風」流してもらうはずだったのに!!”



みんな、ぶーぶー文句言ってる。



ケド、どうして今日に限ってFM放送が流れるのか、あたしも疑問だった。



もしかして、このFM放送に何かカギが隠されているの?!


そうなの‥‥?!



聖人?!





給食が揃って、みんな席に着いている――



さりげなく聖人の方を見ると――



いつもの様に、クールな顔して牛乳にストローさしてる。



もぉっっ!!



なんで、あたしの視線に気付かないのッッ!!



少しは気付いてよッッ!!



彼女だぞっっ!!

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