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ラブレター

[823]  内田俊章  2009-06-23投稿
ときめき ?


 「俊(しゅん)ちゃん、ちょっと付き合ってくれる?」

 内田俊章に声をかけたのは、中学2年の同級生、佐々木雪子だった。

 「何か用か?昼飯が終わったら、体育館へ行かなきゃ」

 俊章は、給食のお膳を片付けながら、雪子に言った。

 「直ぐに終わるから!ねっ、お願い!」

 そう言うと雪子は、俊章の腕を掴んで、引っぱった。

 「分かった、分かった!少しだぞ!」

 2人は教室を出ると、階段を上がり屋上へ出た。



 「何の用だよ?」

 俊章は、せわしなく聞いた。

 「これね、ある子から預かったの」

 そう言うと雪子は、ポケットから白い封筒を取り出して、俊章へ差し出した。

 「何だよこれ?誰からだよ?」

 「それは聞かないで!絶対に言わないで!って言われたの」

 「ひょっとして、ラブレターか?」

 「そうかもね」

 俊章は、冗談のつもりで聞いたのに、『そうかもね』と言われ、心臓が高鳴った。

 「いったい、誰だ?俺にラブレターなんて」

 俊章は、その封筒を制服の内ポケットに仕舞うと、体育館へ急いだ。

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