月の破片
夕焼け過ぎた
暮れ空に
はがれかけた
月がある
空は残照 失って
月は明かりを
増していく
暗く冷えた 部屋の中
アダージェットが
波を打ち
手の平だけは
闇から守る
月はとうとう
はがれ落ち
空を ゆられて
沈みくる
受け止めようと
差し出した
わずかばかりの
手の平を
月は素っ気ない目で
すり抜けて
グラスに落ちて
カランと音たてる
グラスの中で
月は溶け
細かな泡が
たくさんのぼって
はじけて消える
グラスの横から
見てみると
小さな泡の
ひとつひとつに
小さな月が
映りこんでは
しゅわしゅわ のぼる
暮れ空に
はがれかけた
月がある
空は残照 失って
月は明かりを
増していく
暗く冷えた 部屋の中
アダージェットが
波を打ち
手の平だけは
闇から守る
月はとうとう
はがれ落ち
空を ゆられて
沈みくる
受け止めようと
差し出した
わずかばかりの
手の平を
月は素っ気ない目で
すり抜けて
グラスに落ちて
カランと音たてる
グラスの中で
月は溶け
細かな泡が
たくさんのぼって
はじけて消える
グラスの横から
見てみると
小さな泡の
ひとつひとつに
小さな月が
映りこんでは
しゅわしゅわ のぼる
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