十字路とブルースと僕と俺 37
今日はいつにもまして暑いなぁ、と、老人はおれが出した麦茶を美味しそうに飲んで言った。"奴"はしばらく麦茶には手を付けず、子供のような無垢な瞳をぐるぐると動かしていた。居間にはおれと"奴"と老人の三人だけがいた。
老人が流暢な英語で"奴"にむかって何かを言ったが、もちろんおれには何を言っているのかさっぱりわからなかった。老人の口から発せられたその英語は、老人の口から出たとは思えないほど滑らかで、まるで老人の中に別の誰かがいてそいつがしゃべっているんじゃないかと疑うほどだった。
"奴"がちびりと麦茶を飲んだのはそのすぐあとだった。それを見ておれは、ああ、さっき老人が"奴"に麦茶の説明をして飲むように言ったんだろうな、と思った。"奴"は軽く何度かうなずいて、老人とおれにむかって真っ白な前歯すべてが見えるほどニカッと笑ってから、グッドと言った。そして残りの麦茶をあっという間に飲み干した。
「それでお前さん達はどういった仲なんだ。まさか学生時代の友達ではなかろう?」と老人が言った。おれは、違います、とだけ言って"奴"をちらりと見た。"奴"は二杯目の麦茶をごくごくとのどを鳴らしながら飲んでいた。
老人が流暢な英語で"奴"にむかって何かを言ったが、もちろんおれには何を言っているのかさっぱりわからなかった。老人の口から発せられたその英語は、老人の口から出たとは思えないほど滑らかで、まるで老人の中に別の誰かがいてそいつがしゃべっているんじゃないかと疑うほどだった。
"奴"がちびりと麦茶を飲んだのはそのすぐあとだった。それを見ておれは、ああ、さっき老人が"奴"に麦茶の説明をして飲むように言ったんだろうな、と思った。"奴"は軽く何度かうなずいて、老人とおれにむかって真っ白な前歯すべてが見えるほどニカッと笑ってから、グッドと言った。そして残りの麦茶をあっという間に飲み干した。
「それでお前さん達はどういった仲なんだ。まさか学生時代の友達ではなかろう?」と老人が言った。おれは、違います、とだけ言って"奴"をちらりと見た。"奴"は二杯目の麦茶をごくごくとのどを鳴らしながら飲んでいた。
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