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真実 30

[296]  彰子  2009-06-24投稿
 一旦、淳達は我が家に戻ってきた。
 母親はもちろんの事、淳達も弟の身の安全を願っていた。
 
 数週間が過ぎ、捜索願いを出していた事から、警察より弟の車を発見したと連絡が入った。
 淳の故郷の隣の県のレジャー施設の駐車場にあった。すぐに取りに来て欲しいとの事だったので、淳達は迷う事なく、ゴールデンウィークを利用してまた故郷へ向かった。
 とにかくあれこれ用事がある事も想定し、母親の疲れも予想がついていたので、ホテルを予約した。

 一旦、実家に寄り、叔父や叔母と母親とに合流し、それぞれの車で、弟の車のあるレジャー施設に向かった。
 淳達の車が先に着いたので、淳と亜子達はレジャー施設の責任者に挨拶をしに行った。
 程なくしては母親達の車も到着し、叔父達に再婚の挨拶をした。
 車の中には持ち物の入った鞄と携帯が置いてあった。
 弟はどこに行ったのか… 大丈夫なのか…
 生きる事に後ろ向きにな ってしまったのでは…
 
 それぞれの想いの中に不安は渦巻いていた。
 遠出をしたので疲れただろうと、車はもう一人の叔父が実家まで持って行く事になり、淳達は見知らぬ街を後にし、実家の近くのホテルへ向かった。

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