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眠れぬ夜は君のせい〜36〜

[344]  ユーリ  2009-06-26投稿
健太がもう一度言った。


『俺の傍で…俺の傍で居って下さい。』


涙を拭き左手を前に出し言った。


『健太は私の大切な後輩。それ以上も以下もない。…今すぐ車から降りて。出ていって。』


『先輩…俺はそれ以上です。ずっとずっと、先輩の事が好き…』


『出ていって!今日の事は忘れるから…出ていって。』


健太の言葉を遮って言った。


健太は助手席のドアを閉め出ていった。


アクセルを踏み込むとまた涙が出てきた。


佑典…。


会いたい。


高速に乗り、京都へと車を走らせる。


ただ、ただ…あなたが無事で生きていてくれさえいればいい。



そのことだけ祈った。


京都市内に着いたのは午前1時過ぎ。


四条大宮の駅前で車を停めて、深呼吸した。


その時、携帯の音が鳴った。


〈公衆電話〉の表示、

『もしもし!』


『くみ…ちゃん。』



佑典の声だった。




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