携帯小説!(PC版)

愛しい光

[458]  アイ  2009-06-28投稿
この光もあの光もあなたや私を慰めるためにあるのなら

もう光を恐れるようなことはしなくていいように思うんです

照らし出すものは怖いけど

自分の醜さを知ってしまうから怖いけど

光はいつも温もりだから

怖さの分だけ優しさに触れることができるでしょう?

だから、ねえ

光を恐れないで

闇に逃げ込んだりしないで

きっとそれは勘違いだから

闇のほうが穏やかなことは確かだけど

闇が優しいことなんて一度だってあるわけないんだから

何もない、ってことなんだから

だったら鮮烈なその光を取って

一瞬で駆け抜けてすぐに消えてしまうその刹那を選んで

だって生命ってそういうものでしょう?

短いから美しくてあんなにも輝くの

だから光を見つめましょう

どんなにつらくても悲しくても

真っ直ぐなその瞳で

私の大好きなその瞳で

闇を切り裂いて飛び続ける夜空の星のように

きっと誰かの願いを運ぶから

誰かを慰めるためにあるのだから

だから光に名付けましょう

一番優しいその名前を

両腕の温もりのようなその名前を

自分より誰かのためにこそあるその名前を……




ただ、愛しい光、と。

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