ハーフムーン (47)
「ところでオヤッサン、これだけは正直に答えてくれ。一体、誰にそそのかされて、ここに来たんだ?」
マモルは亀山に聞こえないように、小声で尋ねた。
オヤッサンは、『別にそそのかされた訳では無いが』と前置きした上で、こう答えた。
「ショウという男だ」
その瞬間、ミユキの身体がピクリと大きく反応し、うわずった口調で言った。
「そ、その人の…特徴って分かりますか?」
「特徴…そうだな…背は高かった…180くらいあったかな。髪は茶髪で…割と短かかった」
――すべて当てはまっている。ミユキは、そう感じた。しかし、まだ決め手に欠ける。
「あの、顔の特徴を教えて下さい」
ミユキは更に尋ねた。
「その男は…いつもマスクを着けてたから、顔はほとんど分からないんじゃ。すまんのぉ」
「そうですか…」
ミユキが、それ以上の情報収集を諦めかけた時、オヤッサンが何かを思い出した。
「あ。左目の下に、小さなホクロがあった」
ミユキは確信した。間違いなくショウだ。
あの日の夜、彼女であるミユキとの約束の場所に訪れず、突然いなくなった男――まさしくショウの特徴だ。
ミユキは、巡り巡って偶然知り得たショウの手がかりを、あたかも神様からのプレゼントのように感じた。
マモルは亀山に聞こえないように、小声で尋ねた。
オヤッサンは、『別にそそのかされた訳では無いが』と前置きした上で、こう答えた。
「ショウという男だ」
その瞬間、ミユキの身体がピクリと大きく反応し、うわずった口調で言った。
「そ、その人の…特徴って分かりますか?」
「特徴…そうだな…背は高かった…180くらいあったかな。髪は茶髪で…割と短かかった」
――すべて当てはまっている。ミユキは、そう感じた。しかし、まだ決め手に欠ける。
「あの、顔の特徴を教えて下さい」
ミユキは更に尋ねた。
「その男は…いつもマスクを着けてたから、顔はほとんど分からないんじゃ。すまんのぉ」
「そうですか…」
ミユキが、それ以上の情報収集を諦めかけた時、オヤッサンが何かを思い出した。
「あ。左目の下に、小さなホクロがあった」
ミユキは確信した。間違いなくショウだ。
あの日の夜、彼女であるミユキとの約束の場所に訪れず、突然いなくなった男――まさしくショウの特徴だ。
ミユキは、巡り巡って偶然知り得たショウの手がかりを、あたかも神様からのプレゼントのように感じた。
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