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隣りの音 終

[662]  LEON  2009-06-29投稿
6月8日


深夜3:00

ピーンポーン


チャイムが鳴る。


さっきの男だろうか…

男…
男!?



今朝の一コマを思い出す

「定期券の男!!!!」



寒気が走る。
良く考えればあんな男一度も見た事がない…。


深夜3:04

ドンドンドン ドンドンドン



ドアを激しく叩かれる。


どうしようどうしようどうしよう…


「△△さ〜ん。いるんでしょ?」


ドアの向こうで男が叫ぶ。



私…殺される


深夜3:21

諦めた?


物音が無くなる。



さすがにこれ以上騒いだら警察に通報されると怯んだのだろうか…。


念のため…
怖いけど確認しよう。


深夜3:23

足音を立てないように玄関に向う。



ドアスコープを覗くが、誰もいない。


「良かった…。」





カチャッ




ドアから響いた音に体が硬直する。



深夜3:25


ゆっくりドアが開く。


男が3人立っている。


「△△さんだね…」


一人の男に目がいく。
今朝の男だ…。


「隣りに住んで居た〇〇さん知ってるね?」


何を言ってるのか?


「×月〇日君は何処で何をしていた?」


私はその日会社で…イヤ、違う。そうだ!!彼氏とご飯を食べに行って…イヤ、違う。私…何してたっけ?


「このジャケットに見覚えはないか?」


それは!!!先月私が買ったやつと同じ。でも私のはクローゼットに入れたままだ。


「△△さん、物証は色々揃ってるんだ。隣りの〇〇さんを殺害したのは君だろう?」


違う!!!!
違う!!!何言ってるの?
殺したのは男!!!!


「君は〇〇さんの事あまり良く思ってなかったようだね。」


私は〇〇さん何て知らない。

「だって君の彼氏の浮気相手だったんだろう?」


…………


そうだ。
あの女…。


あの日…



私だ。
私がやったんだ。


「△△さん、詳しい事は署で聞こう。」



深夜3:37

今朝の男に掴まれて私はパトカーに乗る。



今まで怯えていた音は私の罪悪感から生まれた。
何よりもこの瞬間を恐れていたのだったと思い出す。


今はパトカーのサイレンのみ耳の奥に響く。



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