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月光に染まる魔王〜十六話〜

[526]  へたれもち  2009-06-29投稿
エクスカリバーから
放たれる一束の光…
その直線上に真は
飛び込み姿勢を低くし、
拳を構える。
放たれた光は真の右腕に
当たった。
「先輩!何を…。」
そのままグングニルを
押し込むように拳を
当てる…すると、
グングニルの先端が
結界を貫き、一部を
破壊した。
「今だ、早く!」
その掛け声と共に
司とアーサーは結界の
外に脱出する。
「!?…先輩!」
結界の外には真の姿は
無く、結界の穴は
塞がっていった…。

結界内部には男と
オーディン、真が残って
いた…。
「逃げないのかね?」
右腕をだらんとぶら下げ
るように真は立ち、
拳を握ろうとする。
「…無駄だと思ってね。
逃げたら見逃して
くれるか?」
微笑する…真は訳も
わからずに。
「フッ…逃がして
あげないことも
ありませんよ?」
徐々に力が抜けていく
右腕を見つめる…。
もはや、拳を握ること
すらできない。
「そうですね…ゲームを
しましょう。昼休みが
終わるまで耐えるか、
私達が倒れたら
君の勝ちです。
どうでしょうか?」
男は微笑を浮かべ、
腕を組み始める。
「私は一切手を
出しません、君の実力を
見たいですからね。」
そして、結界に
寄り掛かる。
「その言葉…後悔させて
あげよう。」
空気が緊張し、真の
雰囲気が変わった。
「まだ、手品のネタが
あるのですか?」
男の言葉を無視する
ように歩き続ける。
「手品?そんなもの
もとよりない。純粋に
力で潰すのみだ。」
ベールが消え、
真の身体を保護するもの
が無くなった。
「片腕で?流石に
そのジョークは
笑えませんね。」
嘲笑うかのような
表情で真は歩く…全てを
無駄だと…下らないと…

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