自我と愛の14センチの刃 2
この子との出会いは入学して間もない頃だった。
桜は緑を帯び始めていた。
校舎の隅に一際大きな桜の木がある。大層立派なのだが、人目につきにくい場所にある。その木の下で、僕は左頬を平手打ちされた。
今思い出しても痛い。
後で聞いた話だと誰でもよかったらしい。ただムシャクシャしてた所に僕がいたらしい。
生まれて初めて平手打ちされた感想は、正直痛みと恐怖が入り混じったものだったが、少し快感でもあった。
久々に人から触れられたからだろうか、体の奥からじわじわと熱いものが込み上げてきた。
彼女はその後も、何か事ある毎に僕を呼び出しては桜の木の下で殴った。
殴られる度、僕は体を熱くさせた。
頻度は半月に一回から段々と増え、最近は一日三回、朝昼放課後となっていた。
ある時僕は彼女に尋ねた。
何でそんなに苛立っているの?
彼女は何も答えず、ただ僕を見つめて左頬に一発入れた。
僕は膝から崩れ、桜の木にもたれ掛かるような体制になった。
彼女は踵を返し校舎に向かって歩いていった。
振り向かずに行ってくれたのは助かった。
余りの快感に絶頂を迎えてしまい、口からは涎が垂れ、大切な左頬を伝っていたからだ。
続
桜は緑を帯び始めていた。
校舎の隅に一際大きな桜の木がある。大層立派なのだが、人目につきにくい場所にある。その木の下で、僕は左頬を平手打ちされた。
今思い出しても痛い。
後で聞いた話だと誰でもよかったらしい。ただムシャクシャしてた所に僕がいたらしい。
生まれて初めて平手打ちされた感想は、正直痛みと恐怖が入り混じったものだったが、少し快感でもあった。
久々に人から触れられたからだろうか、体の奥からじわじわと熱いものが込み上げてきた。
彼女はその後も、何か事ある毎に僕を呼び出しては桜の木の下で殴った。
殴られる度、僕は体を熱くさせた。
頻度は半月に一回から段々と増え、最近は一日三回、朝昼放課後となっていた。
ある時僕は彼女に尋ねた。
何でそんなに苛立っているの?
彼女は何も答えず、ただ僕を見つめて左頬に一発入れた。
僕は膝から崩れ、桜の木にもたれ掛かるような体制になった。
彼女は踵を返し校舎に向かって歩いていった。
振り向かずに行ってくれたのは助かった。
余りの快感に絶頂を迎えてしまい、口からは涎が垂れ、大切な左頬を伝っていたからだ。
続
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