携帯小説!(PC版)

キンギョ

[180]  近江 ハル  2009-07-05投稿
向こう側をまるくて狭い世界から眺める。
なぜここにいるのかはよく解らないが。

この世界から見える物はとても限られているように思う。
外がどんなに広いか、物に溢れているかは解らないが。

日が射し込んで「朝」がやってくると「1日」が始まる。
私の動きに合わせて頭上の水面は揺れ、キラキラと光を反射する。
私の下にある砂や石も眩しいばかりの光を受け煌びやかに輝く。
わずかに生えた水草はとても気持ちよさそうにゆっくりと呼吸をはじめる。


まるくて狭い世界ではただくるくると回るしかない。
うっかりガラスの壁にぶつからないようにただ回る。
漂うように、ただ身をまかせてみたり時間をかけてゆっくり回ってみたりもする。飽きた時は逆を向いてまた、回る。

夜が訪れるとこのまるくて狭い世界も表情を変える。
朝のキラキラした宝石箱のような世界とは対照的にあたり一面「黒」が覆い被さる。何も見えないが、気を抜くとガラスの壁にぶつかるので自分のいる狭い世界は確認できる。

目を閉じて眠る。

朝を待つ。

きっと明日もまるくて狭い世界はキラキラと私を迎えてくれる。

なぜここにいるのかはよく解らないが。

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