携帯小説!(PC版)

夏恋

[450]  ゆな  2009-07-05投稿
夏休み前のテスト。

これが終われば、楽しい夏休みが待っている!

その前の最後の試練に戦うべくしてテスト勉強に励む学生。

私もその1人。

塾に通っている人が多い中、私、ミユと親友のヒロは今時珍しく図書館で勉強会中。

私達はテスト勉強のためだけではなく図書館が好きなんだ。

図書館の静けさ、空気が好き。

図書館に行けばいろいろな物語が待っている。

そして、最近はひそかに目で追っている人がいる。

話したことないけど。

名前もしらないけど。

視界に入るだけでドキドキしてしまう。

ヒロにはばれている。

「ミユの顔が真っ赤になる」

ってからかって言われた…。

「ミユは恋しているんだね」

ヒロは恋と呼ぶけど、私はよくわからない。

だって、彼の知っているところなんて見た目だけだよ?

それを恋と言うのかな?


「ちょっと休憩。」

ヒロに言って私はテスト勉強にはあきて少し休もうと立ち上がった。

行く先は決まっている。

外に出て彼が来ているかチェック済みの彼の自転車を見に行く。

こーゆー行動ってストーカーみたいかな?ってオドオドしながら見ているから怪しさ100%間違いなし!

初夏の日差しの中に彼の自転車は照らされていた。

彼が図書館に来るのは1週間に1回程度。

何処にいるのかな?

慌てて中に入ろうとした。

バサッ!!

「す、すみません!!」

キャー!

人にぶつかっちゃったよぉ!

本を落とさせてしまった(汗)

慌てて拾おうとした。

その時、大きな綺麗な手が視界に入った。

その手を見つめてしまって、結局、本はぶつかった相手に拾わせてしまった。

もう一度、顔を上げて

「す…」

謝ろうとした私の目に映ったのは彼だった。

言葉が出なかった。

きっと顔はヒロの言う真っ赤だろう。

彼が

「ごめんね。」

と言ったので

「こっちこそ!」

と、慌てて返した。

初めて聞いた彼の声は、嬉しかった!

彼はそのまま自転車に乗って帰って行った。

私は早足でヒロのところに戻った。

嬉しそうな顔をして。

今年の夏は楽しくなりそうかも!?

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