おわり 前編
ふたりの独りぼっちは、ひとりの孤独よりも、苦しいものだと思っていました。
すぐそこに、腕があるのに触れることすら出来なくて、ずっと背をむけたまま、それでも、永遠を感じていました。
正確に言うと、「終わり」という言葉を知らなかっただけかもしれません。
隣にいる事が日常で、苦しくても、寂しくても、この日常は、続いていくものだと思っていました。
だから、私は指輪をはずしたのです。カタチがなくても私たちは大丈夫だから。
だけど本当は、そっと抱き締めて、大丈夫だと、床に置かれた指輪を元の場所に戻して欲しかった…ただのそれだけでした。
きっと、人の気持ちを試した罰なのでしょう。
その指輪の隣に、同じように、そっとお揃いの指輪を置いたのです。
私は、この時初めて「終わり」を感じました。
すぐそこに、腕があるのに触れることすら出来なくて、ずっと背をむけたまま、それでも、永遠を感じていました。
正確に言うと、「終わり」という言葉を知らなかっただけかもしれません。
隣にいる事が日常で、苦しくても、寂しくても、この日常は、続いていくものだと思っていました。
だから、私は指輪をはずしたのです。カタチがなくても私たちは大丈夫だから。
だけど本当は、そっと抱き締めて、大丈夫だと、床に置かれた指輪を元の場所に戻して欲しかった…ただのそれだけでした。
きっと、人の気持ちを試した罰なのでしょう。
その指輪の隣に、同じように、そっとお揃いの指輪を置いたのです。
私は、この時初めて「終わり」を感じました。
感想
感想はありません。