pain10
フェンリの指差すほうを見ると、道が消えているのが見えた。
「あ−…まずいな」
私は呟いた。
崖の一部が崩落し、吊橋が落ちてしまっている。
「どうする?アッシェン」
フェンリは私の顔を覗き込んだ。
「仕方ない。別のルートを行こう。来た道を戻って、森の外を回り、ピオン山を上るしかない」
「ピオン山って…クフェンシスの棲みかじゃないか!」
フェンリは叫んだ。クフェンシスとは、大型の獣で、人を襲う。
「他に道がない」
「海路は?」
「チルビノ付近は極端に遠浅で、座礁しやすい上に、海流が早い。たえられるような船を探す時間はないし、行けたとしても、チルビノの港は検問が厳しい。忘れるな、私たちはテロリストなんだ」
「わかったよ…じゃあ急いでいこう」
フェンリはうんざりした様子で歩き出した。
「いや…今日はもう時間がない。日が傾いている。今からピオン山に入るのは危険過ぎる。」
「…じゃあ」
フェンリはじっと私を見た。
「ザンネの洞窟とやらで野宿。もし寝泊まりできる環境でなければ、その辺に寝転がるしかないな」
「ふふっ」
フェンリはくすっと笑った。
「何がおかしい」
私はフェンリを睨んだ。
「なんか楽しくなって来たよ」
「ふざけるな。遊びにきてるんじゃない。こうしてもたもたしている間にもアリスがどうなっているか…」
フェンリは私の気迫を察して、顔を引き締めた。
「ごめんごめん。わかってる」
「わかってない」
「アッシェン」
フェンリはそっと私に近付いた。あと一歩のところまで近づいて来たので、私は少したじろいで、一歩下がった。
がしっ
「アッシェン。逃げないで」
フェンリは、そういって、私の肩を掴んだ。
「あ−…まずいな」
私は呟いた。
崖の一部が崩落し、吊橋が落ちてしまっている。
「どうする?アッシェン」
フェンリは私の顔を覗き込んだ。
「仕方ない。別のルートを行こう。来た道を戻って、森の外を回り、ピオン山を上るしかない」
「ピオン山って…クフェンシスの棲みかじゃないか!」
フェンリは叫んだ。クフェンシスとは、大型の獣で、人を襲う。
「他に道がない」
「海路は?」
「チルビノ付近は極端に遠浅で、座礁しやすい上に、海流が早い。たえられるような船を探す時間はないし、行けたとしても、チルビノの港は検問が厳しい。忘れるな、私たちはテロリストなんだ」
「わかったよ…じゃあ急いでいこう」
フェンリはうんざりした様子で歩き出した。
「いや…今日はもう時間がない。日が傾いている。今からピオン山に入るのは危険過ぎる。」
「…じゃあ」
フェンリはじっと私を見た。
「ザンネの洞窟とやらで野宿。もし寝泊まりできる環境でなければ、その辺に寝転がるしかないな」
「ふふっ」
フェンリはくすっと笑った。
「何がおかしい」
私はフェンリを睨んだ。
「なんか楽しくなって来たよ」
「ふざけるな。遊びにきてるんじゃない。こうしてもたもたしている間にもアリスがどうなっているか…」
フェンリは私の気迫を察して、顔を引き締めた。
「ごめんごめん。わかってる」
「わかってない」
「アッシェン」
フェンリはそっと私に近付いた。あと一歩のところまで近づいて来たので、私は少したじろいで、一歩下がった。
がしっ
「アッシェン。逃げないで」
フェンリは、そういって、私の肩を掴んだ。
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