その日彼女はいなくなった
その日彼女は死んだ。僕の目の前で死んだ。小さな男の子を助けるために自らトラックにひかれた。彼女の体が宙に舞う、綺麗だ、僕はそう思ったがすぐ現実に戻った。顔になにか生臭いものがついた、血だ。彼女の血だ。そして、激しい勢いで彼女は地面に叩きつけられた、「千尋!!」僕は彼女の名前を叫び、彼女の元に走った。そして、虫の息の彼女は言った「空...わた..し...死ぬの..かな?」と、途切れ途切れ聞いてきた。「なに言ってんだよ!諦めるな!!」と僕は怒鳴った。そして、彼女を抱きかかえ、病院へ走った。「いいよ....そ...ら..もう..いいよ」僕は汗と涙で顔をくしゃくしゃにしながら「諦めるな、ヒック、あと、もう喋るな!」「泣かないで...そ..ら...」と僕はのほおに手をおいた。「泣いて、ヒック、なんか、ヒック、いないよ」と無理にひきつった笑顔を浮かべた。「そう...そ..う....空に..は笑顔がにあ..う」といい終わるとガクッと彼女はうなだれた。「!!おい、千尋!起きろ千尋!、くそっ!!」確実に失われていく彼女の温もり、そして、最後に「 空、好きだよ、ずっと前から、ずっと..」彼女は僕の腕のなかで息を引き取った.....ずるいよ、千尋、最後に好きだなんて.....
感想
- 44: もっと細かく読みたい [2011-01-16]
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