ハーフムーン (53)
ミユキとマモルは、コーヒーを飲み終えると、先ほどのコテージに戻った。
水平線の向こうでは、もう日が暮れようとしている。
二人はバルコニーに並んで、夕陽を眺めていた。
マモルが言う。
「チキショーッ。どうしても、いま俺たちのいる場所がどこだか分かんネェんだよなぁ…」
ミユキは答えず、黙って海を見つめていた。
さらにマモルは続ける。
「亀山のヤローは“外国”だって言ってるけどサ、そんな雰囲気ねぇし、出会う奴はみんな日本人だけど、だからってここが日本だっつー確たる証拠もねぇし…なぁ、ミユキはどう思う?」
「分からない」
「…だよなぁ。ミユキだって分かんねぇよな、そりゃ」
マモルは言った。
「分からない…何故ショウが、あの日いなくなったのかが…別にケンカした訳でも無いのに」
ミユキがそうつぶやくと、マモルは『あーそっちのことね』と言って、苦笑いを浮かべた。
ミユキは海を見ながら、ここに行き着くまでに起きた、数々の不審な出来事を思い返していた。
…ショウの消息を伝えるポケットティッシュ、若い女性が予約したという謎のタクシー、ショウに仕事を頼まれた男等…挙げればキリがなかった。
ただ唯一信じられたのは…とミユキは、隣りのマモルを見つめて微笑んだ。
水平線の向こうでは、もう日が暮れようとしている。
二人はバルコニーに並んで、夕陽を眺めていた。
マモルが言う。
「チキショーッ。どうしても、いま俺たちのいる場所がどこだか分かんネェんだよなぁ…」
ミユキは答えず、黙って海を見つめていた。
さらにマモルは続ける。
「亀山のヤローは“外国”だって言ってるけどサ、そんな雰囲気ねぇし、出会う奴はみんな日本人だけど、だからってここが日本だっつー確たる証拠もねぇし…なぁ、ミユキはどう思う?」
「分からない」
「…だよなぁ。ミユキだって分かんねぇよな、そりゃ」
マモルは言った。
「分からない…何故ショウが、あの日いなくなったのかが…別にケンカした訳でも無いのに」
ミユキがそうつぶやくと、マモルは『あーそっちのことね』と言って、苦笑いを浮かべた。
ミユキは海を見ながら、ここに行き着くまでに起きた、数々の不審な出来事を思い返していた。
…ショウの消息を伝えるポケットティッシュ、若い女性が予約したという謎のタクシー、ショウに仕事を頼まれた男等…挙げればキリがなかった。
ただ唯一信じられたのは…とミユキは、隣りのマモルを見つめて微笑んだ。
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