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ラブレター 〜第11話〜

[489]  内田俊章  2009-07-06投稿
さぐり ?


 1週間ほど経ったある日、雪子は2通目のラブレターを、俊章に手渡した。

 この1週間、俊章は、雪子とその取り巻きを観察していた。

 それを察知したのか、雪子にもその周りにも、余り変化を感じなかった。

 休み時間に俊章は、トイレの個室に入って、手紙の封を開けた。

 『こんにちは内田君』から始まり、この1週間、俊章は、逆にその子に観察されていたらしく、その感想が綴られていた。

 それは、誉め讃える内容ばかりだが、俊章にとっては、嬉しさを通り過ぎて、薄気味悪さを感じる物だった。

 3日前のホームルームで、学校祭での出し物を何にするかと話し合った。

 その時は、雪子がクラス委員として、取りまとめをしていたが、余り意見が出ず、困り果てていた。

 その時俊章が『お化け屋敷を作ろう』と提案すると、その方向で、話がトントン拍子で進んで行った。

 手紙の中には、その事も書かれていた。

 俊章は『あれっ!』と思った。

 雪子は、手紙の主は『違うクラスの人』と言ってた。

 でも今日の手紙の内容は、同じクラスでなければ、分からない事ばかりが書かれている。

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