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ときのこ 4

[444]  アオ  2009-07-09投稿
「死んだ?なんで?寿命ってことはあり得ないし、今時事故や病気ってのも考えにくいなぁ」
話している内容の重さに関係なくクロノはいつも通りの口調で話す。
「お前は私に気を使ったりって事が一切無いんだな。」
「気?何に?」
「いや、何でもない。姉は事故死と言うことになっている。」
「『と言うこと』?」
「ああ、隠蔽工作だ。姉は殺された。死体の状態を(ハッキングして)見たが胸部と頭部に銃で撃たれたと思われる傷跡があった。警察と繋がっていることから殺人犯はかなりの権力を有している者だと分かるが…それ以上は今のところ分からない。お前なら私が入手できない情報を手に入れ事件の真相を暴くことができるだろう。」
「なる程。思っていたより簡単に僕を受け入れた理由が分かったよ。で、それは敵討ちなの?」
「いや、もしかしたら姉さんが何らかの計画に荷担した可能性も否定できない。…あまり考えたくは無いがな。」
彼女は黙り込み写真を見ている。
「…気分を変えるか。」
そう言って彼女はバスルームへと歩いていった。
脱衣場に着き少し明るさを取り戻した彼女がクロノに言った。
「私はこれから風呂に入る。あがるまで出ていってくれないか。」
「…なんで?」
クロノには予想外の発言なようで少し驚いている。
「私の中にいると私の視界を通して私の体が見えてしまうだろ。」
「見えたらいけないの?」
「私にだって羞恥心はある。いいから出ていけ。通報するぞ。」
「わ、分かったよ。」
彼女は小さくため息した後風呂に入った。湯につかって考えることは姉との思い出だった。
「(気分を変えるために入ったのにな…)」
天井を見上げながら彼女はそれでも姉以外のことを考えることはできなかった。
暫くして風呂から上がり体を拭いている時にクロノの声がした。
「ただいま。」
「…私はまだ服をきていないんだか。」
「でも『風呂からあがるまで』って言ったじゃない。」
同居人ができてから彼女のため息の数は数倍に跳ね上がった。

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