みんなのクラブ(2)
進路も目指すものも、やりたいこともないまま中学3年の冬休み。部活動も引退し、ただダラダラと過ごしていた。そんなある日 普段あまり鳴らない家の電話がなった。 一つ年上の先輩からだ。先輩は今の私を見透かしたように「今暇だろ?」 続けて「今からサッカーの試合なんだ。『玉拾い』の人手が足りなくてさ。手伝ってくんない?」 特にお世話になった先輩でもなし、義理もない…。 ただ今の私には断る理由も見当たらない。 高校生の試合も どの程度か観てみたいしな。 「いいっすよ。」 軽く返事した。 「一応 スパイクとサッカーソックスは持ってきてくれよ。」そう言うと 先輩は電話口でもわかるくらいのハリキリ声で電話を切った。
自宅から自転車で20分のサッカー場。私は愛用のママチャリで のんびり向かった。 その先にある先輩の罠に気づく由もなく。
自宅から自転車で20分のサッカー場。私は愛用のママチャリで のんびり向かった。 その先にある先輩の罠に気づく由もなく。
感想
感想はありません。