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ラブレター 〜第14話〜

[452]  内田俊章  2009-07-10投稿
涙が… ?


 「誰かは、名乗ってないらしいんだけど、香水付きのピンクのハンカチが入っていたんだって。可愛いよね。余程俊ちゃんが好きなんだね!」

 雪子は、一層顔を赤くした。

 「ねえユッコ、少し休んで行こうよ」

 遥は、雪子の手を引いて、公園のベンチに腰を降ろした。

 雪子は、遥の顔をまともに見れず、横を向いていた。

 「それで俊ちゃんは、ラブレターの人に、どうするって?」

 雪子は、赤い顔のままでも、平常心を装った。

 「俊ちゃんはね『誰かは分からないけど、気持ちが嬉しい』って言ってたよ」

 「へえ、そうなんだ」

 雪子は一瞬、嬉しそうな顔をした。

 それを見逃さなかった遥は、雪子の両肩に手を添えて言った。

 「ねえ、ユッコ。こっちを向いて!」

 「ええ?」

 「ねえ、ユッコ。私の目を見て!」

 「ええ?」

 雪子は、渋々遥の方を向き、遥は真剣に、雪子の目を見つめた。

 「ユッコ!貴方は、自分の好きな人が苦しんでいても、平気?」

 「……?」

 「貴方の様に、頭の言い子なら、どうすれば人が喜んで、どうすれば人が苦しむか位、分かるわよね!」

 遥は真剣に訴えた。

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