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汚染 164

[152]  ふく  2009-07-11投稿
ねぇ
貴方が優しくする度に
私は弱くなる
貴方が私を見つめるから
私は嘘を見抜けなくなる

『最近、メールの感じが違う。最近、冷たくなった気がする。』

確かにそう
メールをくれなくなった
気持ちが見えなくなった

『あのね』
溜め息混じりの貴方の声に耳を澄ませた
逃げも隠れもしない
もうどんな言葉だって受け止める覚悟は出来た

『今はメール出来ないんだ』
そう言って貴方が私の髪を撫でる
良く意味が分からない
だから俯いたまま動けなかった
『少し前から頻繁に携帯を見られる様になった。だから残せないんだ。またアドレスも消されてる。』
貴方の事情は分かる
貴方が言う様に証拠を残せない事も
私はそうやって何も残らない
それが悲しくて
それよりも貴方や周りの人の迷惑になっている事
苦しめている事
傷付け続けている事が悲しかった

『私は…』
言いかけて言葉が詰まる
次に出たのは沢山の涙だった
一瞬でこんなにも頬が濡れて行く
『みんなを苦しめてる』
やっと出て来た言葉は自分を咎める為の言葉
それを聞いた貴方は『そんな事はないよ』と言って私を抱き締めた

そうなんだ
私がいるから
私さえいなければ誰も苦しむ事はない
そう思えて
実感した途端に本当の虚しさを知った

涙が止まらない
貴方の腕を解く事も出来ない
抱き締めてくれた温もりに
苦しみを押し殺す様に体を預けた

『私がいたら貴方の幸せを壊してしまう』

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