ロストクロニクル8―4
最後の海賊が倒れたのを確認すると、ウェドは口を開いた。
「てめぇ、名前は?」
落としたハンマーを拾いに行きながら聞いた。
(ごめんなさい。私、言葉が分からないの)
女性は申し訳なさそうな顔をした。
「ああ?何喋ってんだよ?」
ウェドはハンマーに付いた砂を叩き落としながら、女性に近づいて行った。
「どこまで行っても砂浜だけだなー」
フラットは安全に眠れそうな場所を探し、砂浜の上を歩いていた。
「おい!そこのガキ!てめぇ、見たところ魔導師みてぇだな!へへっ、高く売れそうだぜ」
フラットは咄嗟に振り向いた。そこには、青いバンダナを巻き、巨大な戦斧を担いだひとりの大柄な海賊が、ふてぶてしく立っていた。
「海賊・・・」
フラットは眉間にしわを寄せた。
「大人しくしてろよ!」
海賊は有無を言わせず、猛然と向かってきた。
フラットはひらりと右へかわした。
「おもしれぇ、魔導師は高級品だ。なるべく無傷で手に入れてぇな」
海賊は右へかわしたフラットの腕を掴み、海賊の後ろへ引き倒した。
「しまった!」
海賊は気絶させる為、戦斧の柄でフラットの頭に殴りかかった。
フラットは倒れた状態で、降りかかって来る斧に向け右手を広げると、右手に杖を出現させ、斧を受け止めた。
「はっ!なかなか粘るな。魔導師」
海賊の力は重くフラットにのし掛かる。
「・・・こんなもの、じゃ、ないですよ・・・」
杖を鉄をも溶かすほど、熱く熱し、斧を溶かし始めた。
「・・・ちっ!面倒くせぇなー」
海賊は素早くフラットから離れ、少しだけ溶けてしまった戦斧を眺めた。
その隙にフラットは立ち上がり、さらに海賊との間隔を空けた。
「仕方ねぇ。少々傷は付いても、連れてくか」
「ぼくは、たったのひとりの海賊相手に負ける気はしませんよ」
しばらくの沈黙の後、海賊は答えた。
「はははは!たったのひとりの海賊か。・・・教えといてやる。俺の名前は、
エアー海賊団ハイドロ号船長オキシーだ」
「・・・船長」
フラットはその言葉に一瞬たじろいだ。
「俺たちとやろうってのか、あのボウズ」
相手は5人か・・・
「いいじゃねぇか。おい!出てこい!」
すると、船の中からさらに六人の海賊が現れた。
「さぁ、精々楽しませろよ。俺たち11人をな!」
「てめぇ、名前は?」
落としたハンマーを拾いに行きながら聞いた。
(ごめんなさい。私、言葉が分からないの)
女性は申し訳なさそうな顔をした。
「ああ?何喋ってんだよ?」
ウェドはハンマーに付いた砂を叩き落としながら、女性に近づいて行った。
「どこまで行っても砂浜だけだなー」
フラットは安全に眠れそうな場所を探し、砂浜の上を歩いていた。
「おい!そこのガキ!てめぇ、見たところ魔導師みてぇだな!へへっ、高く売れそうだぜ」
フラットは咄嗟に振り向いた。そこには、青いバンダナを巻き、巨大な戦斧を担いだひとりの大柄な海賊が、ふてぶてしく立っていた。
「海賊・・・」
フラットは眉間にしわを寄せた。
「大人しくしてろよ!」
海賊は有無を言わせず、猛然と向かってきた。
フラットはひらりと右へかわした。
「おもしれぇ、魔導師は高級品だ。なるべく無傷で手に入れてぇな」
海賊は右へかわしたフラットの腕を掴み、海賊の後ろへ引き倒した。
「しまった!」
海賊は気絶させる為、戦斧の柄でフラットの頭に殴りかかった。
フラットは倒れた状態で、降りかかって来る斧に向け右手を広げると、右手に杖を出現させ、斧を受け止めた。
「はっ!なかなか粘るな。魔導師」
海賊の力は重くフラットにのし掛かる。
「・・・こんなもの、じゃ、ないですよ・・・」
杖を鉄をも溶かすほど、熱く熱し、斧を溶かし始めた。
「・・・ちっ!面倒くせぇなー」
海賊は素早くフラットから離れ、少しだけ溶けてしまった戦斧を眺めた。
その隙にフラットは立ち上がり、さらに海賊との間隔を空けた。
「仕方ねぇ。少々傷は付いても、連れてくか」
「ぼくは、たったのひとりの海賊相手に負ける気はしませんよ」
しばらくの沈黙の後、海賊は答えた。
「はははは!たったのひとりの海賊か。・・・教えといてやる。俺の名前は、
エアー海賊団ハイドロ号船長オキシーだ」
「・・・船長」
フラットはその言葉に一瞬たじろいだ。
「俺たちとやろうってのか、あのボウズ」
相手は5人か・・・
「いいじゃねぇか。おい!出てこい!」
すると、船の中からさらに六人の海賊が現れた。
「さぁ、精々楽しませろよ。俺たち11人をな!」
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