幻覚 終り
姉の部屋で眠りにつき,どれ位たった頃でしょうか。
ふと横向きに寝ている私の背後に誰かの気配を感じました。何と表現したらいいでしょう?ゾクゾクと寒くて痺れる感じです。
何だ?と起き上がると,窓の側に黒い人影が…
泥棒!?と思い怖くて動けずにいると,それは掠れ声で「僕らは友達だよね?」と言ってきました。
私は怖くて声も出せずにいると,それは徐々に近寄ってきました。ぼんやりと見えてくる姿に更に恐怖を覚えました。
中学生位の男の子で,片目が無く,頭がバックリ割れていて,学生服がボロボロ。青白い顔で明らかに生きていない。
頭の中に急に姉の言っていたショウタが浮びました。コイツだと確信しました。姉は幻覚何て見ていなかったんです。
「お前,ねぇちゃん連れてったやろ?何でなん?」
私は怖いはずなのに,怒りが込み上げ,生きてないそいつに叫びました。
「だって…お前のねぇちゃん死にたい死にたいって毎日言っとったもん。それに俺と友達辞める言うから,許せんかった。そないねぇちゃんと会いたけりゃお前も連れてったるで?」
そう言うと,そいつは私の首をギリギリと締めまくりました。意識が徐々に遠のきもう駄目かと思った時,「アキ子,早よ逃げえ。」と声がして,首の圧感が無くなりました。私は言われるままに逃げ,泣きました。
私は姉を助けられなかったのに,姉は死んでなお私を助けてくれたのです。
思えば,小さい時からいつだって私を助けてくれる姉でした。姉が悪い道に進んだのも,私を両親の重圧から守る為でした。「うちに手焼いてる間は妹を責めたりプレッシャー掛けたりせ〜へんやろう」生前の姉はこんな事を友達に言っていたようです。
姉は人としては誤った生き方をしましたが,最高に優しくて強いねぇちゃんです。
安らかに眠って欲しいです。
終
ふと横向きに寝ている私の背後に誰かの気配を感じました。何と表現したらいいでしょう?ゾクゾクと寒くて痺れる感じです。
何だ?と起き上がると,窓の側に黒い人影が…
泥棒!?と思い怖くて動けずにいると,それは掠れ声で「僕らは友達だよね?」と言ってきました。
私は怖くて声も出せずにいると,それは徐々に近寄ってきました。ぼんやりと見えてくる姿に更に恐怖を覚えました。
中学生位の男の子で,片目が無く,頭がバックリ割れていて,学生服がボロボロ。青白い顔で明らかに生きていない。
頭の中に急に姉の言っていたショウタが浮びました。コイツだと確信しました。姉は幻覚何て見ていなかったんです。
「お前,ねぇちゃん連れてったやろ?何でなん?」
私は怖いはずなのに,怒りが込み上げ,生きてないそいつに叫びました。
「だって…お前のねぇちゃん死にたい死にたいって毎日言っとったもん。それに俺と友達辞める言うから,許せんかった。そないねぇちゃんと会いたけりゃお前も連れてったるで?」
そう言うと,そいつは私の首をギリギリと締めまくりました。意識が徐々に遠のきもう駄目かと思った時,「アキ子,早よ逃げえ。」と声がして,首の圧感が無くなりました。私は言われるままに逃げ,泣きました。
私は姉を助けられなかったのに,姉は死んでなお私を助けてくれたのです。
思えば,小さい時からいつだって私を助けてくれる姉でした。姉が悪い道に進んだのも,私を両親の重圧から守る為でした。「うちに手焼いてる間は妹を責めたりプレッシャー掛けたりせ〜へんやろう」生前の姉はこんな事を友達に言っていたようです。
姉は人としては誤った生き方をしましたが,最高に優しくて強いねぇちゃんです。
安らかに眠って欲しいです。
終
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