最期の恋(21)
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最近では、学校が休みになる、金曜日の夕方から日曜日の夜まで、コウは私のアパートで過ごしていく。
若いナース達の休日の希望は、どうしても週末に集中する。だから私自身が休めることはほとんどない。
一緒に遊びに行くこともなければ、不規則な勤務で疲れ切った私とワイワイ騒げる訳でもない。
高校生の男の子にとって、いったい何が楽しいのかと思うのだが、金曜日の授業が終わると、伝書鳩みたいにやって来る。
「たまには友達と遊びにでも行ったら?別に彼女を作ってもいいのよ」
と私が言っても
「恋人がいるのに、彼女なんて…」
と、取り合わない。
私が出勤する時には、病院まで送ってくれる。
そのあとは、アパートに帰って、勉強をしたり、CDを聴いて過ごしているらしい。
そして、私が帰る時間には、また病院まで迎えに来る。
二人で食事を済ませてからアパートに帰る。
一緒にお風呂に入って、私の髪を洗い、疲れ切った身体をほぐしてくれる。
お風呂から上がると、私が髪を乾かしている間に、コウが布団を敷いて待っている。
だけど、私の疲れがひどい時には、決して無理強いはしない。
上質の羽根布団のように、優しく私を抱きしめて、そっと額にキスをして言う。
「さゆりさん、今日はゆっくり眠ったほうがいいよ」
だけど、不器用に腰を引いて、欲望の昂ぶりを悟らせまいとするコウの気遣いが愛しくて、私の方からコウを求めてしまう。
「いいの…。私も、コウが欲しい…」
若い情熱に貫かれ、身体の奥に迸しりを受け止めた私は、コウの腕の中で深い眠りに落ちていく……。
最初の頃は、どんなに遅くなっても、決して泊まらせなかった。それは、高校生の男の子と付き合う上での、最低限のケジメだと思っていた。
けれど、誰もいない家に帰るのはが寂しいと、何度もコウに泣き付かれて、結局私が折れる形になった。
だけど本当は、私がコウにいてほしかった。
コウの温かい腕に、ずっと抱かれていたかったのだ。
コウに出会うまでは、一人ていることに、さほど寂しさは感じなかった。だけど、それは自分自身を欺いていただけだった。
退院後、初めて結ばれた夜、コウのいなくなった布団の中で、絶望的な寂寥感に包まれた。
涙が止まらなかった。
最近では、学校が休みになる、金曜日の夕方から日曜日の夜まで、コウは私のアパートで過ごしていく。
若いナース達の休日の希望は、どうしても週末に集中する。だから私自身が休めることはほとんどない。
一緒に遊びに行くこともなければ、不規則な勤務で疲れ切った私とワイワイ騒げる訳でもない。
高校生の男の子にとって、いったい何が楽しいのかと思うのだが、金曜日の授業が終わると、伝書鳩みたいにやって来る。
「たまには友達と遊びにでも行ったら?別に彼女を作ってもいいのよ」
と私が言っても
「恋人がいるのに、彼女なんて…」
と、取り合わない。
私が出勤する時には、病院まで送ってくれる。
そのあとは、アパートに帰って、勉強をしたり、CDを聴いて過ごしているらしい。
そして、私が帰る時間には、また病院まで迎えに来る。
二人で食事を済ませてからアパートに帰る。
一緒にお風呂に入って、私の髪を洗い、疲れ切った身体をほぐしてくれる。
お風呂から上がると、私が髪を乾かしている間に、コウが布団を敷いて待っている。
だけど、私の疲れがひどい時には、決して無理強いはしない。
上質の羽根布団のように、優しく私を抱きしめて、そっと額にキスをして言う。
「さゆりさん、今日はゆっくり眠ったほうがいいよ」
だけど、不器用に腰を引いて、欲望の昂ぶりを悟らせまいとするコウの気遣いが愛しくて、私の方からコウを求めてしまう。
「いいの…。私も、コウが欲しい…」
若い情熱に貫かれ、身体の奥に迸しりを受け止めた私は、コウの腕の中で深い眠りに落ちていく……。
最初の頃は、どんなに遅くなっても、決して泊まらせなかった。それは、高校生の男の子と付き合う上での、最低限のケジメだと思っていた。
けれど、誰もいない家に帰るのはが寂しいと、何度もコウに泣き付かれて、結局私が折れる形になった。
だけど本当は、私がコウにいてほしかった。
コウの温かい腕に、ずっと抱かれていたかったのだ。
コウに出会うまでは、一人ていることに、さほど寂しさは感じなかった。だけど、それは自分自身を欺いていただけだった。
退院後、初めて結ばれた夜、コウのいなくなった布団の中で、絶望的な寂寥感に包まれた。
涙が止まらなかった。
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