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サークルチェンジ #27

[521]  Hollow Man  2009-07-14投稿
−−翌日−−

隼人は昨日、野球の練習をサボった事への後ろめたさを感じながら、こっそり部室の扉に張り付き、窓から中を覗き込んでいた。
誰もいない事を確認し、中に入ろうとしていた所、キャプテンの仁藤がいきなり後ろから肩を組んできた。
「よぉー隼人。」

「ゲッ!?」
隼人は一瞬、血の気が引いた。

「お前昨日何でサボったんだ?」
仁藤が隼人の顎の下に腕を回し、嘘を言えば首を締めると言わんばかりに聞いてくる。

「い、いやー昨日、先生に呼び出されたんすよ。」
隼人が萎縮しながら答えると、仁藤は太い腕で首を締めつけてきた。

「うぐっくっくっ苦し…」
隼人は悶える。

「俺はお前とキャッチボールするの楽しみにしてたのによ〜。」

隼人は仁藤から気に入られているようだ。仁藤は首を締めながら、もう片方の手で隼人の脇腹をくすぐってきた。

隼人は天国でも地獄でも味わえないような感覚に陥り、仁藤の腕を二、三度叩き、キブアップの意思表示をする。

仁藤が腕を放すと、隼人は首の後ろ辺りをさすりながら昨日の事を話し出した。
「秋吉先生がテストで80点以上だったら監督引き受けてくれるって…」

「なんだお前もか!? 俺も今日昼休みに呼び出されて同じようなこと言われたぞ。」

「仁藤さんもですか!?」

「あぁ、じゃテスト前の一週間は練習休みにするか。」

「はい。あっそれと昨日、この前言ってた一年の青山って奴が入部するって言ってきたんすよ。」

「そうか!!でかした隼人。そいつ練習に連れて来い!」
仁藤は隼人の頭を掴み、グルグル回す。

隼人はそれを嫌がりながら、青山の事を説明する。
「いや、それが試合がある時呼んでくれって。肩も脚もあるんで戦力にはなるんすけどね。」


「そうか…とりあえず9人そろった。今日から試合のこと考えて球数増やしていくぞ!」

隼人はこれまで硬式球の感触に慣れることに重点を置き、一日多くても30球程度に投げ込む球数を抑えていた。

「はい、だいぶ硬球にも慣れてきたんで、早く試合で投げたいっす!」

仁藤は隼人の球を受ける際、ミットで気持ちのいい音を響かせてくれる。

できるだけこの人と長く野球がしたい…

そんな気持ちが隼人の中に芽生え始めていた。

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