輪 4
「〜さん、…村田さん?…か、圭織さん!!」
「えっ!?は、はい!?」
急に名前を呼ばれ、思わず声が裏返った。
「どうしましたか?急に立ち止まって…。元気…ないですよ?」
「え…?そ、そう!?私はいつでも元気だよ!!」
わざとらしく腕まくりをしてガッツポーズを見せた。
っっ!嬉しいっ…!
…初めて彼から話しかけてくれた…!
それも、私の気持ちを感じとってくれて…。
私の事ちゃんと見ててくれてたんだ!!
馬鹿みたい!!
一人で先走り過ぎてた。
…嫌われてなくてよかった。
ただ無口なだけだったんだ…。
先ほどとは打って変わり、すっかり元気を取り戻した単純な私がいた。
たった一言でこんなに感情が左右されるのは好きだからだよ…?
ね…、卓哉くん。
分かる…?
「よかった…元気で何よりです!
あ、それより今日、何か予定入ってますか?」
「んっ…予定?」
私は鞄から手帳を取り出し、今日の日付を確認した。
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