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梟は二度鳴く(3)

[271]  なつ  2009-07-18投稿
「それで用件は?」

ミケーロは促した。するとチェーザレはすっと表情を変えた。それだけで場の空気は痛いほどに張りつめた。女たちの表情が強ばる。チェーザレはゆっくりとミケーロに歩み寄った。

「今夜召集がかけられた。お前も来い」

そうミケーロの耳元で小さくささやくと、ぱっと表情を戻し女の肩に腕を回した。

「わかった」

ミケーロがそう答えると、チェーザレは小さく微笑み、きびを返して去っていった。ミケーロはその後ろ姿が群衆に紛れ消えるまで目で追いかけた。

その夜は月が厚い雲に隠れ、いっそう闇を深くしていた。人々が寝静まる頃密やかにその会合は開かれた。
ボルティアーノ傘下の六十人ほどのマフィア関係者が参列していた。
黒服で正装した男たちがゴシック調のホールにひしめき合う情景は壮観だった。
ミケーロは末席に腰を下ろしていた。おそらくは参列者の一番若い彼は誰とはなすでもなく、ただ時がくるのを静かに待っていた。
ざわめきあっていたホールはチェーザレとその父親であり、現ボルティアーノ家党首ロドリーゴ・ボルティアーノが現れた瞬間に静まりかえった。人々はその美しい親子の登場を畏敬をもって迎えたのだった。

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