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僕と同じ髪の色

[576]  咲耶  2006-07-22投稿
 あかるい、朝なんだな・・・そう思った。僕は生まれてこのかた、楽しいと思ったことはない。至ってつまらない生活だった。
「華水様、お体の方は・・・?」
 専属医は煩い。朝起きると何時もこう言う。 たしかに、ここ?日本?という国に着いて一日で体調を崩した僕も悪いのだが・・・
「だいぶいいよ。・・・今日はガッコウ行ける。」
「そうですか。では、そう連絡しておきますので。」
 足音が遠くなっていくのが分かった。
僕は14だ。名前は華水純弥。チュウガッコウの二年、イギリスから越してきた。日本人の父親の仕事の都合らしい。
 ベットからおりて鏡を見る。ショートカットになっている髪に長い前髪、その色は灰色をおびた白。母親と同じ色。僕はあまりこの色は好きでない。瞳は細いがしっかりとした意志が感じ取れる。鼻は少々上向き、口は小さめ。全体的にもバランスが良い顔の成り立ち。
 壁に掛かった制服を見た。白い生地に青い線が入っている。
 初めての登校だというのに病院からで、それが気にくわなかったがそこを出ると気分は一転した。なぜなら、自転車に乗った人が目の前を走り去っていった。その人は自分を見ることはしなかったせれど、間違いなく女の子で『僕と同じ髪の色』だったから。その色素の薄い髪を後ろで一つに結った女の子は自分と同じ方角を目指していた。つまらない日々を一転させるチャンスが舞い降りた日だった。

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