Fight
私はかつて頂点に立つ者であった。
私と私の一族は光り輝き、尊敬と崇拝を受け、その繁栄は永遠に続くものであると誰もが信じていた。
しかし、
世に争いは絶える事無く、
何時の時代、
何処の世界にも常に闘争は存在していた。
私自身も様々な外敵と幾度となく戦い、
時には勝利し、
時には敗れもした。
戦い争う相手も様々。
その中にはかの強敵も存在していた。
それは雷光の如く煌めく豪の者であった。
かの者は我が一族を凌辱し、敗北と屈辱の辛酸を嫌という程舐め尽くさせた。
私は闘った。
何度敗れ、倒れようがその度に立ち上がり、また闘った。
我が一族の誇りと正義を胸に。
だが何時しか私の胸には、戦闘による興奮と充実感が溢れていた。
敵を捕捉し、間合いを計り、攻撃して殲滅する。
かつて光に満ちていた私。
それが気付いた時には己の正義と本能を燃やす炎と、己と敵との鮮血によって真っ赤に染まっていた。
周囲の私を見る目も変わり、
尊敬は恐怖へ、
崇拝は畏怖へとなっていた。
己と周囲の目の変化に私は絶望した。
それでも私は闘いを止められなかった。
血に染まり闘い続ける闇に堕ちた私に、
一筋の光が差した。
彼は救いの手を差しのべてくれた。
私の過ちを正し、導いてくれた。
私自身を認め、役目を与えてくれた。
私は自身の行いを省みた。
己の正義に固執し、一族を巻き込み闘いに明け暮れた自分。
己が大義の為に他を傷つける事を正当化していた自分。
闘い、敵を討ち敗る事自体に満足感を感じていた自分。
私は武器を捨てた。
そして私を導いてくれた彼の為に生きてゆく事を誓った。
彼を護り、彼の光がより遠くまで差す為の力となろうと。
そしてかつての私の様に争いに明け暮れる者達を正しき光へと導こうと。
かつて彼が私にしてくれたように。
私の名は阿修羅。
光と闇を知り、平安と闘争を知る者なり。
釈尊により救われし我が魂、
救い求めし者には光を、
仏敵の前には憤怒の炎をもたらさん。
我が三面六臂は世の全てを見据え、
救い、討ち倒し、祈る為にあると知れ。
私と私の一族は光り輝き、尊敬と崇拝を受け、その繁栄は永遠に続くものであると誰もが信じていた。
しかし、
世に争いは絶える事無く、
何時の時代、
何処の世界にも常に闘争は存在していた。
私自身も様々な外敵と幾度となく戦い、
時には勝利し、
時には敗れもした。
戦い争う相手も様々。
その中にはかの強敵も存在していた。
それは雷光の如く煌めく豪の者であった。
かの者は我が一族を凌辱し、敗北と屈辱の辛酸を嫌という程舐め尽くさせた。
私は闘った。
何度敗れ、倒れようがその度に立ち上がり、また闘った。
我が一族の誇りと正義を胸に。
だが何時しか私の胸には、戦闘による興奮と充実感が溢れていた。
敵を捕捉し、間合いを計り、攻撃して殲滅する。
かつて光に満ちていた私。
それが気付いた時には己の正義と本能を燃やす炎と、己と敵との鮮血によって真っ赤に染まっていた。
周囲の私を見る目も変わり、
尊敬は恐怖へ、
崇拝は畏怖へとなっていた。
己と周囲の目の変化に私は絶望した。
それでも私は闘いを止められなかった。
血に染まり闘い続ける闇に堕ちた私に、
一筋の光が差した。
彼は救いの手を差しのべてくれた。
私の過ちを正し、導いてくれた。
私自身を認め、役目を与えてくれた。
私は自身の行いを省みた。
己の正義に固執し、一族を巻き込み闘いに明け暮れた自分。
己が大義の為に他を傷つける事を正当化していた自分。
闘い、敵を討ち敗る事自体に満足感を感じていた自分。
私は武器を捨てた。
そして私を導いてくれた彼の為に生きてゆく事を誓った。
彼を護り、彼の光がより遠くまで差す為の力となろうと。
そしてかつての私の様に争いに明け暮れる者達を正しき光へと導こうと。
かつて彼が私にしてくれたように。
私の名は阿修羅。
光と闇を知り、平安と闘争を知る者なり。
釈尊により救われし我が魂、
救い求めし者には光を、
仏敵の前には憤怒の炎をもたらさん。
我が三面六臂は世の全てを見据え、
救い、討ち倒し、祈る為にあると知れ。
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