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愉快なかんじょうろん(1)

[368]  ハル  2009-07-21投稿
例えば、そう。



カエデちゃんの話をしよう。



■□■□■□■□


現代に生きる女子高生。JK。カエデちゃん。


カエデちゃんは大人しくてマイペースでサブカル好きな女子である。
クラスでは目立つ存在ではないけど、それでもカエデちゃんは皆から好かれていた。もともと嫌われる要素がない子だったのだ。



しかしながら



カエデちゃんには誰にも言えない秘密があった。


彼女は同性愛者。

レズ、ビアンだった。


しかもカエデちゃんは今、恋をしていた。

それはいつも同じグループで行動しているサナエちゃんだった。

もちろんカエデちゃんは、叶わぬ恋だと分かっている。
サナエちゃんにはちゃんと好きな男子がいるのだ。

カエデちゃんはそれを知っていた。


ちゃんと分かっている。

しかしカエデちゃんの想いは日に日に募るばかり。
サナエちゃんの前では毎日自然に振る舞うのがやっとだった。





時を同じくして、クラス後方の席からカエデちゃんを眺める男子がいた。

眼鏡のハマベ君だった。

ハマベ君は、はじめてカエデちゃんを見たときから、彼女を意識していた。


それが恋だと確信するのに時間はかからなかった。

ハマベ君は、カエデちゃんのことが好きだ。猛烈に。


ハマベ君。

眼鏡のハマベ君。

カエデちゃんが別の生徒に恋をしているとも知らずに。

しかもそれが同じクラスの女子なんて、知るはずもない。





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