真実 36
春から淳は電車通勤になった。淳の人生の中には、電車で学校や会社に行ったのは新入社員の頃以来であった。
亜子が会社を辞めてから、全ての振り込みや返済は時間のある亜子がやっていた。給料日にほぼ全ての額が振り込みや返済に当てられ、そう言った現実に閉口した。淳が帰ってくると、明細書を見せ、何がどこに振り込まれているかを報告した。
が、淳の中で、自分が携わっていないのもあり、本当の意味で、実感する事は無かった。通帳や何かの数字上だけでは、そんなもんだろう。
唯一、実感するとしたら、亜子の食べている量が日々減っている事位だった。
そんな状況でも亜子は自分に関わる全ての人間を大事にする事は忘れる事なく、一緒に人生を歩いている淳は、その姿勢や想いに脱帽させられた。
淳は凄い事だと思った。 自分が食べる量を減らしていても家族が美味しく食べている事を嬉しそうに見守っている。かと言って、周りに気を使わせる様な事は無く、わからない様に少しずつゆっくり食べては止め、を繰り返しているので、淳自身も気付かない事もある。
2学期の始業式の日に淳に転勤命令が出た…。まだ九州に来て1年半だ。
淳は愕然とした…。今度は北海道… …しばらく淳は呆然としていたが、亜子に電話を入れるべく、携帯を手にした。
亜子が会社を辞めてから、全ての振り込みや返済は時間のある亜子がやっていた。給料日にほぼ全ての額が振り込みや返済に当てられ、そう言った現実に閉口した。淳が帰ってくると、明細書を見せ、何がどこに振り込まれているかを報告した。
が、淳の中で、自分が携わっていないのもあり、本当の意味で、実感する事は無かった。通帳や何かの数字上だけでは、そんなもんだろう。
唯一、実感するとしたら、亜子の食べている量が日々減っている事位だった。
そんな状況でも亜子は自分に関わる全ての人間を大事にする事は忘れる事なく、一緒に人生を歩いている淳は、その姿勢や想いに脱帽させられた。
淳は凄い事だと思った。 自分が食べる量を減らしていても家族が美味しく食べている事を嬉しそうに見守っている。かと言って、周りに気を使わせる様な事は無く、わからない様に少しずつゆっくり食べては止め、を繰り返しているので、淳自身も気付かない事もある。
2学期の始業式の日に淳に転勤命令が出た…。まだ九州に来て1年半だ。
淳は愕然とした…。今度は北海道… …しばらく淳は呆然としていたが、亜子に電話を入れるべく、携帯を手にした。
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