携帯小説!(PC版)

空中楽園

[352]  Beno  2009-07-24投稿
ちょっとした気晴らしのつもりで 彼は飛行船に乗り込み 世界に名高い'歓楽街'へ向かっていた。

その'歓楽街'は砂漠の真ん中にオアシスの様に浮かんでいる筈だ。

もっとも 今や大陸のかなりの面積を砂漠が占めているけれども。
海と言われる水部分の面積は増しているに 陸地は砂漠化が進んでいる。

末期症状…という単語が浮かんで あまりに芸がなさすぎると彼は苦笑した。

彼はある都市に学会に出席するために滞在していたが 一日目にしてうんざりし 逃げ出す事にした。

だいたいじっと席について退屈な講演を聞いていると 右足の痛みが増して来る。

一日二日逃げ出したところで 学会の日程に影響はない…




目的地が見えて来た。

世界でも名だたる'歓楽街'の奇異な建造物群が段々とはっきりして来た。

ネオガウディな美しくも妖しいモザイクに覆われ 生き物の様な曲線を持って天に向かい乱立している建造物群。

ことさらにこの歓楽街を有名にしているのは…
実のところ 国営の高級娼館が建ち並ぶ地区である。

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