君からの手紙〜49〜
「私は、利夫を失った時、どうしようもなくなって、自分の夢さえあきらめてしまっていました。
利夫の思いを理解したのも最近だったから…利夫が果たせなかった夢…それを少しでも果たしてたいって」
「果たす?どうゆうこと?」
「世に出したい…とかじゃないですよ。利夫が生きている時に、私は曲を聞くことは出来なかったけど、もし、『秀さん』に出会えて、曲を聞くことが出来たら、『秀さん』にありがとうって、伝えたいんです」
「ありがとう?どうして?」
「利夫が、自分の夢を形にしたい時に、そのきっかけを作ってくれたことに。
もし…今、音楽を続けていなくても…利夫が心引かれた曲、そして由美さんが心引かれた曲を、聞いて、かみしめたいって…勝手な思いですけどね…」
「そうか。その思いが伝わるといいな。でも、その人が、そのことを思い出したくないって、言ったら?」
「その時は…その時はしょうがないですね。でも、これだけは言うと思いますよ。『利夫に、曲を出会わせてくれて、ありがとうございます』って」
幸子の話す姿は、入ったばかりの時の、おとなしい感じとは違い、熱く見えていた。
その姿は、昨日、勇一が自分に語りかける勇一とダブって見えていた。
「そうか…君は、この何日間で、自分の思いを話せるほどの出会いがあったみたいだね?」
石田の問いに、幸子は深くうなずいた。
「はい。2年間、私は自分の殻を抜け出せなかった。何か変えたくて、この仕事をはじめて、…そして荒木さんに会うことが出来た」
「荒木さん…そうか、同じような境遇だもんな」
「はい。荒木さんは、由美さんからの手紙を、15年の時を越えて、受け取って、動きだしました。私も利夫からの手紙を受け取って、動きだしました。きっとこれは、利夫が巡り合わせてくれたんじゃないかって…」 「その…利夫さんが、奇跡をおこしたと?」
「そんな、超能力的なことゆうと、大丈夫か?って思われますけどね(笑)…でも、そう思うことにしたんです…だから…」
「だから…利夫の奇跡で、『秀さん』にも巡り合わせてくれると思ってます。きっと…」
そう語ると、幸子は「今日はすみません。」と一礼して、店をあとにした。
「利夫の奇跡か…」と、石田はつぶやいた。
利夫の思いを理解したのも最近だったから…利夫が果たせなかった夢…それを少しでも果たしてたいって」
「果たす?どうゆうこと?」
「世に出したい…とかじゃないですよ。利夫が生きている時に、私は曲を聞くことは出来なかったけど、もし、『秀さん』に出会えて、曲を聞くことが出来たら、『秀さん』にありがとうって、伝えたいんです」
「ありがとう?どうして?」
「利夫が、自分の夢を形にしたい時に、そのきっかけを作ってくれたことに。
もし…今、音楽を続けていなくても…利夫が心引かれた曲、そして由美さんが心引かれた曲を、聞いて、かみしめたいって…勝手な思いですけどね…」
「そうか。その思いが伝わるといいな。でも、その人が、そのことを思い出したくないって、言ったら?」
「その時は…その時はしょうがないですね。でも、これだけは言うと思いますよ。『利夫に、曲を出会わせてくれて、ありがとうございます』って」
幸子の話す姿は、入ったばかりの時の、おとなしい感じとは違い、熱く見えていた。
その姿は、昨日、勇一が自分に語りかける勇一とダブって見えていた。
「そうか…君は、この何日間で、自分の思いを話せるほどの出会いがあったみたいだね?」
石田の問いに、幸子は深くうなずいた。
「はい。2年間、私は自分の殻を抜け出せなかった。何か変えたくて、この仕事をはじめて、…そして荒木さんに会うことが出来た」
「荒木さん…そうか、同じような境遇だもんな」
「はい。荒木さんは、由美さんからの手紙を、15年の時を越えて、受け取って、動きだしました。私も利夫からの手紙を受け取って、動きだしました。きっとこれは、利夫が巡り合わせてくれたんじゃないかって…」 「その…利夫さんが、奇跡をおこしたと?」
「そんな、超能力的なことゆうと、大丈夫か?って思われますけどね(笑)…でも、そう思うことにしたんです…だから…」
「だから…利夫の奇跡で、『秀さん』にも巡り合わせてくれると思ってます。きっと…」
そう語ると、幸子は「今日はすみません。」と一礼して、店をあとにした。
「利夫の奇跡か…」と、石田はつぶやいた。
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